チェルノブイリ HBOドラマのあらすじ ネタバレ 登場人物を紹介

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写真出典:IMDb

ドラマ「チェルノブイリ」は、1986年にソビエト連邦で実際に起きた原発事故を描いたドラマです。2019年5月に英米で放送されるやいなや、事故の再現度の高さ、リアルな描写、緊迫感、悲惨さが話題となり、同時期に放送されていた「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章の人気を抜き、いっきに注目を集めました。原発事故後、チェルノブイリ周辺は今も立ち入り禁止になっていますが、ドラマの放送終了後、周辺を訪れる観光客が増えるほどの社会現象になっています。

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ドラマ「チェルノブイリ」概要

米HBOが制作したオリジナルドラマ。1986年、旧ソビエト連邦で実際に起きたチェルノブイリ原発事故をもとに、事実を隠ぺいしようとする政府や人々への影響、被害を抑えようとした人々の姿が描かれます。

初回放送:2019年5月6日(日本2019年9月25日)
放送回数:5回
放送時間:およそ60分
制作:HBO
第71回(2019年)エミー賞「リミテッドシリーズ部門・作品賞」受賞

 

チェルノブイリ原発事故では、4号炉から30キロメートル圏内の住民は避難させられ、半径350キロメートル圏内の放射性物質が高濃度な地域では農業の停止と避難が余儀なくされました。犠牲者はおよそ4000人と発表されたものの、調査機関によっては数万人とも数十万人とも報告されており、実際の数はわかっていません。

2019年現在、事故を起こした4号炉は「石棺」と呼ばれる設備で囲まれ、チェルノブイリ周辺は事故から30年以上経った現在も立ち入り禁止、原発のあったプリピャチ市は人の住まないゴーストタウンとなっています。

なお、チェルノブイリ原発事故は国際原子力事故評価尺度(INES)でもっとも深刻なレベル7が指定されていますが、福島の第一原発事故もレベル7となっています。

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第1話「1時23分45秒」

チェルノブイリ原発事故から2年後の1988年4月。原子炉専門家のヴァレリー・レガソフ博士は、事故に関する口述をテープに録音したあと自殺します。

そして1986年4月26日午前1時23分。

ソビエト連邦(現ウクライナ)のプリピャチ市にあるチェルノブイリ原子力発電所では、4つの原子炉が稼働中で、さらに2つが建設中でした。
夜中に目覚めたリュドミラ・イグナテンコは、遠くの空が光り輝いていることに気づきます。そして衝撃が届きました。チェルノブイリ原子力発電所の4号炉で爆発事故が発生したのです。

発電所では職員たちが困惑し、火災が発生したと報告されたアナトリー・ディアトロフ副技師長は、非常用タンクが爆発したと判断します。炉心の爆発も報告されますが、信じることはできません。原子炉が爆発するなどあり得ないからです

発電所にはすぐに消防士たちがやってきます。その中にはリュドミラの夫ワシリーの姿もありました。消防士たちは、金属の味がする空気に違和感を覚えます。さらに黒い金属片をつかんだ消防士の手はボロボロになりました。金属片は原子炉に使われる黒鉛(グラファイト)で、爆発によって施設外へ飛び散ったものです。しかし消防士たちにはわかりません。

火力発電では、石油や石炭を燃やして熱を作ります。その熱で水を沸騰させて蒸気を作り、タービン(モーター)を回して電気を作ります。原子力発電も水を沸騰させて蒸気を作り、タービンを回す点では火力発電と同じです。ただし石油や石炭の代わりに核燃料を使います。核燃料には、不安定(核分裂を起こしやすい)なウラン235が使われます。

原子を構成する原子核に、ほかの原子から来た中性子が衝突すると、原子核が破壊されて熱エネルギーが発生します。これが「核分裂」です。

ウラン235に中性子を衝突させると核分裂を起こし、熱エネルギーが発生します。この熱を使って蒸気を作ってタービンを回すのです。

しかし通常、中性子はものすごい速さで動くため原子核になかなか衝突しません。そこでウラン235を水や黒鉛などの減速材で包むことで中性子の動きを遅くします。
チェルノブイリの原発は、ソ連が独自に開発した、減速材に黒鉛を使う黒鉛炉(RBMK)という構造でした。日本などでは、減速材に水を使う軽水炉(BWR/PWR)が採用されています。

また、中性子を吸収する素材(炭化ホウ素やカドミウムなど)で作られた装置を「制御棒」といいます。原子炉に制御棒を挿入すると、中性子の量が減って核分裂が少なくなります。逆に、制御棒を引き抜くと中性子が増えて核分裂が活性化します。こうして原子炉内の中性子の量を調整します。

施設内ではトプトゥーノフやアキーモフが炉心がなくなっていると気づきながらも給水作業を続け、放射線に冒されていきます。

ブリュハーノフ所長とフォーミン技師長が到着すると、ディアトロフ副技師長は通常の火災だといいます。放射線量も3.6と聞いて楽観視しました。しかし計測された数値は計測器の上限。計測器が簡易的なものだったため、それ以上計測できないのです。

離れた場所では、人びとが火災を見守っていました。彼らの上に放射線を帯びた灰が降り注ぎはじめます。

午前5時20分。プリピャチ市の執行委員会が開かれ、情報の規制と街の封鎖を決定します。そして高性能な計測器で放射線量が計測されますが、数値が大きすぎて測定できませんでした。計器の故障と判断されます。

委員会に参加していたディアトロフ副技師長は放射線障害で嘔吐し、運び出されると、原子炉から立ち上る黒煙や被爆して救急車に運ばれる消防士たちを目にします。

そのころ、ヴァレリー・レガソフ博士は政府委員会のボリス・シチェルビナ副議長から呼び出されます。

第2話「現場検証」

4月26日 午前8時30分
チェルノブイリから400km離れたミンスク(現ベラルーシ共和国首都)にある白ロシア原子力研究所。窓を開けると放射線感知器が警報を鳴らします。ウラナ・ホミュック博士は異変が起きていることを知ります。

そのころ、プリピャチ病院には放射線に冒された消防士たちが運ばれ、医師たちも放射線に冒されます。リュドミラは、消防士である夫ワシリーがモスクワに搬送されることを知ります。

政府委員会が開かれ、報告書を見たレガソフ博士は、炉心にだけ使われる黒鉛の欠片が屋外で発見されているという報告から炉心が爆発していることを指摘します。ゴルバチョフ書記長は、シチェルビナ副議長とレガソフ博士に現地調査を命じました。

シチェルビナ副議長とレガソフ博士が発電所にやってくると、むき出しになって黒煙を噴き上げる原子炉、建屋の屋上に散乱する黒鉛片、放射性物質によりイオン化されて青白く光る大気など、絶望的な光景が広がっていました。

しかし二人を出迎えたブリュハーノフ所長とフォーミン技師長は、事故処理が順調に進んでいると報告します。シチェルビナ副議長が化学部隊に放射線を測定させると、毎時1万5000レントゲンという数値が測定されました。炉心が爆発した以外の何者でもありません。このままでは、半永久的に、広島原爆の2倍の量の放射線が1時間ごとに放出されることになります。

4月27日早朝
爆発から30時間が経過し、ヘリコプターによる5000トンのホウ素と土砂の投下作業がはじまります。火災は沈静化しますが、諸外国に原発事故のことが知られると、午後2時、ソ連政府はプリピャチ市民の避難を開始します。

ウラナ・ホミュック博士は発電所にやってくると、水蒸気爆発の可能性を指摘しました。投下した土砂が炉心の熱によって融解。地下の貯水槽に到達すると、水蒸気爆発を起こすというのです。予測では爆発まで2日。爆発が起きれば半径3km圏内の建物はすべて破壊され、残る原子炉も爆発。半径200km圏内の人びとは被爆し、ヨーロッパ全土に汚染物質が広がります。

水蒸気爆発を回避するため、地下の貯水槽から手動で排水しなくてはなりません。

4月28日午前9時30分
3人の技師(アナネンコ、ベスパロフ、バラノフ)が被爆死を覚悟しながら名乗りを上げました。

第3話「KGB」

放射線計測器が鳴り響く中、3人の技師によって地下貯水槽からの排水作業は成功します。

事故から35年経った2018年、アナネンコ、ベスパロフ、バラノフの3人に勲章が与えられています。ただしバラノフは2005年に心臓発作で亡くなっているため、死後の叙勲となりました。

4月30日
火災は鎮火に向かい、放射線の放出量は減りますが、炉心温度の上昇は止まりません。メルトダウンがはじまったのです。

核分裂が起きると、2000度以上の熱が発生します。その熱によって燃料や制御棒といった構造物が溶け、容器の底にたまりはじめます。これを「メルトダウン(炉心溶融)」といいます。

モスクワの第6病院へやってきたリュドミラが夫のワシリーに面会すると、彼の皮膚は赤黒く変色していました。

5月2日
ゴルバチョフ書記長は電話で報告を受けていました。炉心溶融物が最下部のコンクリート床を突き抜け、地下水に接触すると、ドニエプル川に沿って東欧圏が核汚染されるといいます。このときレガソフ博士は避難区域の拡大を求めますが、ゴルバチョフ書記長は電話を切ってしまいました。

憤るレガソフに対し、シチェルビナ副議長は自分たちがつねに監視・盗聴されていることを伝えます。

その後レガソフ博士はホミュックを訪ねると、再発防止のため、モスクワの第6病院で生存者から情報を集めることを依頼します。

5月6日
炉心溶融物が地下水に接触するのを防ぐため、炭鉱夫たちによって地下に液体窒素を注入する作業が進めらます。しかし施設内には入れないため、外からトンネルを掘る必要がありました。しかも地盤を破壊する重機は使うことができません。手作業で行う必要があります。坑内の温度は50度に達し、放射能を含んだ粉塵が舞い上がるため送風機を使うこともできません。炭鉱夫たちは全裸になって掘りはじめます。

ホミュックはモスクワの第6病院にやってくると、頭髪の抜け落ちたディアトロフ副技師長に事故当時の状況を確認しますが、彼は応えようとしません。
トプトゥーノフとアキーモフは、全身がただれ、息をするのも苦しそうです。しかし出力が急上昇したので緊急停止用の「AZ-5」ボタンを押した瞬間爆発したと証言します。

そのころ同病院に入院しているワシリーは、様態が急変して別室に移されます。リュドミラは仕切りの中に入り込んで手を握り、妊娠していることを告げました。その様子を見たホミュックは、リュドミラを連れ出し、妊婦を被爆の危険にさらす行為は怠慢であり、すべてを公表しなければならないと騒ぎました。監視していたKGBが現れ、ホミュックを逮捕します。

5月7日
政府委員会でシチェルビナ副議長はメルトダウンを回避するための作業が続けられていることを報告します。しかし今後は長い戦いがはじまるといって、住民の避難と土壌の洗浄、動植物の処分の必要性を報告します。さらに原子炉を覆う施設の建設が必要です。必要な人員は医療や建設の専門家を含めておよそ75万人、期間は3年が見込まれ、死者は数万人と推測されます。

その後レガソフ博士は、KGBのチェルコーフ副議長を引き留め、ホミュックの釈放を求めました。チェルコーフはレガソフ博士を実直なだけの無害な人物と考え、釈放を許可します。

そして広い範囲での住民の避難がはじまりました。
ワシリーは亡くなり、同僚たちとともに棺桶は鉛で封印されると、埋められたあとにコンクリートで覆われます。

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第4話「掃討作戦」

事故から4か月後の8月
プリピャチ市周辺からは住民が避難。土壌の除染作業が行われ、一帯からは野生動物のほか、家畜やペットも駆除されます。

事故の原因を調査するホミュックは、モスクワ大学図書館でRMBK原子炉の運転に関する論文を見つけます。ところどころ削除されているため詳細は不明ですが、目次からAZ-5ボタンが抱える問題について書かれていたことがわかります。

その後ホミュックはモスクワの第6病院に入院しているディアトロフにAZ-5ボタンについて尋ねますが、自分が死刑になると考えているディアトロフは調査に協力しようとしません。

9月
発電所では、原子炉を囲む構造物(のちに「石棺」と呼ばれます)の建築が進められていました。しかしもともとの建屋の屋上に散乱する黒鉛の撤去が必要です。

重さで屋根が抜け落ちてしまうため重機は使用できません。ロボットを使って撤去しますが、汚染度が高い箇所はソ連製のロボットでは放射線によって故障してしまいます。アメリカを頼りたくないため、西ドイツ製のロボットを導入しますが、やはり放射線の影響で故障してしまいました。

シチェルビナがモスクワへ苦情を訴えると、政府は核災害は起きていないという建前を守るため、西ドイツには放射線の量を実際の毎時1万2000レントゲンではなく毎時2000レントゲンと伝えていたことがわかります。シチェルビナは、政府の方針にあきれ果てて悪態をつきます。

生身の人間に黒鉛を撤去させるしかありません。

10月
人間の兵士による黒鉛の撤去作業がはじまります。強い放射線の中で作業できる時間は1人あたり90秒。しかし建屋の屋上には大小、無数の黒鉛片が散乱していました。

12月
調査を終えたホミュックがプリピャチ市に戻ってくると、事故の原因が職員の過失以外にもあった可能性を指摘します。それは彼女が見つけた論文に起因するものです。
レガソフは、論文のことを知っていたことを明かしました。彼のもと同僚が書いたものだったからです。

論文は、RBMK原子炉で低出力時にAZ-5ボタンを押すと、核分裂反応が促進されるという欠陥を指摘する内容でした。しかし欠陥を隠すため、KGBによって機密扱いされていたのです。

レガソフは、論文の内容を知っていましたが、そこに書かれているようなことが本当に起きるとは考えていませんでした。

当時、ソ連では16基のRBMK原子炉が稼働していました。ホミュックは、IAEA(国際原子力機関)に報告し、事故の再発を防ぐ必要があると主張します。しかしシチェルビナは、IAEAには報告せず、KGBと取り引きし、論文を公表しない代わりに残りの原子炉を改良させるつもりです。KGBからの報復も恐れていました。
するとホミュックはリュドミラのことを伝えます。彼女はキエフに引っ越して出産しましたが、生まれてきた子どもは4時間後に亡くなっていました。生まれてくる子どもが犠牲になるような国ではいけないといいます。

第5話「真実」

1987年3月
レガソフ博士は、KGBのチャルコーフから既存の原子炉を修復するという約束を取り付けると、ウィーンにあるIAEA(国際原子力機関)本部での報告会で、事故の原因は職員のミスと報告しました。
チャルコーフはレガソフの叙勲と栄転を伝えますが、修理を進めようとしません。

ホミュックは、間もなく行われる裁判で真相を明らかにするよう、レガソフにいいます。

1987年7月
事故に関する裁判がチェルノブイリで開かれます。

被告人はブリュハーノフ、ディアトロフ、フォーミンの3名。証人はシチェルビナ、ホミュック、レガソフの3名です。

シチェルビナは証言します。
チェルノブイリ原発は1983年に稼働しました。当時、被告人の3人は原発の完成を承認していますが、安全試験が終わっていませんでした。そのことを知っていながら完成を認めていたのです。

原子力発電では、つねに水を送って原子炉を冷却しています。水はポンプで送るのですが、それには電力を使います。もし故障や停電、そのほかの事態によってポンプへの電力が絶たれた場合、冷却できなくなって炉心温度が上昇し、核災害が起きます。非常用の発電機はありますが、稼働するまでおよそ1分かかります。
安全試験は、原発が停電しても惰性で回転を続けるタービンから発生する電気を使い、非常用の発電機が稼働するまで電力を確保できるかどうかを実験するものです。

しかし試験は過去3回失敗し、4度目の試験が事故の当日に行われました。

ホミュックは証言します。
本来、試験は事故の10時間前、4月25日に行われる予定でした。
午後2時、原子炉の出力を従来の3200メガワットから1600まで下げました。そして安定稼働を確認したあと、試験を行うために700メガワットまで下げる予定でした。
ところがキエフの電力局から10時間の延期が要請されます。月末を控えていて各工場の生産ノルマを達成する必要があるため、電力が必要になったのです

本来ならば試験を延期するのですが、昇進や栄転が約束されていた被告人たちには試験を成功させる必要がありました。彼らは試験を続行します。

26日午前0時を迎え、職員たちは日勤組から夜勤組に交代します。

試験のことをまったく聞かされていないアキーモフやトプトゥーノフがはじめて目にする指示書は、作業手順の多くが線で消されています。アキーモフが日勤組の技師に電話をかけて手順を確認すると、線が引かれる前の指示に従えといわれました。ではなぜ線が引かれているのかわかりません。しかも出力を700メガワットに下げたことはありません。技師たちは不安に思いながら試験に向けて準備を進ます。

レガソフは証言します。
ウランが核分裂するとき、キセノンという物質が発生します。キセノンは中性子を吸収しますが、通常運転ではすぐに消滅します。
試験のとき、出力が低いまま原子炉が10時間も稼働していたためキセノンが蓄積し、出力が急速に下がっていきます。原子炉が停止寸前になっていることを知ったディアトロフは、試験に必要な700まで戻すように命令しました。アキーモフは危険であることを警告しますが、ディアトロフは強行させます。

出力を700まで回復させるように命じられたアキーモフとトプトゥーノフは、211本ある制御棒のうち205本を引き抜きます。しかし出力は200までしか回復しません。

異常を知らせる警告音が鳴る中、試験が開始され、タービンが停止されます。ポンプが止まり、冷却水が炉心に回らなくなって温度がいっきに上昇します。キセノンは消滅し、制御棒も抜かれているため核反応を抑えるものがありません。

午前2時23分。あわてるアキーモフとトプトゥーノフは、手順に従って緊急停止のためのAZ-5ボタンを押しました。ホウ素でできている制御棒が炉心に戻されて核分裂が抑制されるはずです。しかし制御棒の先端は反応を促進する黒鉛でできています。安価だからです。

黒鉛が入ったことでいっきに核反応が進み、残っていた水が膨張して圧力管が故障。制御棒が入らなくなります。

出力が最終的にどこまで上がったかはわかりません。しかし3200メガワットでの稼働が想定されている4号炉で、3万以上の出力を記録しました。

圧力に耐えられなくなった炉心のフタが吹き飛び、酸素が炉心に流れ込みます。流れ込んだ酸素は水素と黒鉛に反応し、大爆発が発生しました。

レガソフは、裁判の席でRBMK原子炉に構造上の欠陥があることを明らかにしました。そしてウィーンでの報告が嘘だったこと、RBMK原子炉の欠陥がKGBと共産党中央委員会によって隠蔽されていたことを告発します。

法廷は静まりかえり、レガソフは別室に連行されます。

チェルコーフがやってくると、レガソフは処刑されないといいます。ただし証言内容は公表されないまま、レガソフは社会的に抹殺され、放射線障害で寿命が尽きるのを待つことになると告げました。
シチェルビナとホミュックは不問にされ、レガソフがKGBによって連行されるのを見守ります。


事故発生の2年後、レガソフは自殺。彼が残した音声テープが発見され、RMBK原子炉の欠陥が知られることになり、稼働中の原子炉は修理されることになります。

ボリス・シチェルビナは1990年に亡くなりました。

ディアトロフ、ブリュハーノフ、フォーミンは10年間の強制労働ののち出所。フォーミンはカリーニン原子力発電所に勤務しました。ディアトロフは1995年に放射線関連の病気で他界。

リュドミアは第1子を亡くしましたが、その後息子とともに存命。

60万人以上の人びとが復興作業にかり出され、多くが亡くなったとされていますが、数値は発表されていません。

ウクライナとベラルーシにまたがる汚染地区は2600平方キロ、30万以上の住民が避難を余儀なくされ期間は許されていません。

1991年、ソ連は崩壊し、ゴルバチョフ書記長は2006年の手記で、チェルノブイリ原発事故こそがソ連崩壊の原因かもしれないと残しています。

2017年、4号炉を覆う新しい構造物(石棺)が完成。100年保つといわれています。
ソ連が発表した公式な事故の死亡者数は、1987年当時から変わらず31名とされています。

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チェルノブイリの登場人物

ヴァレリー・レガソフ

演:ジャレッド・ハリス
物理学者。ソ連が開発した原子炉(RBMK炉)の専門家。事故の直後、対策メンバーの一員に選ばれました。事故の2年後に自殺しましたが、事故の調査結果と処理状況の詳細について音声記録を残しました。

ボリス・シチェルビナ

演:ステラン・スカルスガルド
ソ連の最高決議機関である閣僚会議の副議長。チェルノブイリ事故の対応に当たります。

チェルノブイリ事故後は、1988年に起きたアルメニア地震の危機管理も担当。1990年に亡くなりました。

ウラナ・ホミュック

演:エミリー・ワトソン
物理学者。チェルノブイリ原発の技師たちを取材し、原発事故の原因究明に当たります。ドラマオリジナルの架空の人物。

アナトリー・ディアトロフ

演:ポール・リッター
チェルノブイリ原発の副技師長。事故当日、原子炉の運転実験を指揮していました。

事故後、責任者の一人として実刑判決を受けますが、1990年に恩赦によって釈放され、1995年に心不全で亡くなりました。

ヴィクター・ブリュハーノフ

演:コン・オニール
チェルノブイリ原発の所長。

事故後、責任者の一人として10年の実刑判決を受けました。2019年現在、存命しています。

ニコライ・フォーミン

演:エイドリアン・ローリンズ
チェルノブイリ原発の技師長。

アレクサンドル・アキーモフ

演:サム・トラウトン
技師

レオニード・トプトゥーノフ

演:ロバート・エムズ
新人の技師

ワシリー・イグナテンコ

演:アダム・ナガイティス
チェルノブイリ原発があるプリピャチ市の消防士。休暇中でしたが、原発の火災により急遽呼び出され、帰らぬ人となりました。

リュドミラ・イグナテンコ

演:ジェシー・バックリー
ワシリーの妻。妊娠していましたが、夫が被爆するとモスクワの病院へ付き添います。2019年現在、存命しています。

ミハイル・ゴルバチョフ

演:デヴィッド・デンシック
ソヴィエト連邦共産党中央委員会書記長

チェルコーフ

演:アラン・ウィリアムズ
KGB第一副議長

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