ドラマ ROME[ローマ] シーザーが皇帝じゃないことがずっと疑問だった




出典:HBO

なんか昔から「カイザー」ってのが好きだったんですよね。というか漫画「リングにかけろ」に出てくる「カイザーナックル」が僕の記憶にある一番古いカイザーなんですけど、カイザーというのは皇帝のことらしいと。それがもう、子供心になんかかっこいい。カイザーはドイツ語で、英語だとシーザーのことらしいと子供心に学んだわけです。さらにはシーザーは仏語でセザールだと知って、セザールのCMでトラのキャラクターが「セザール」って言ってるのを聞いただけでなんかブルブルしちゃうような。それで高校に入って世界史の授業というものがはじまって、古代ローマが出てきたときはすごいワクワクしたんです。やばっ、シーザーが教科書に出てくるよって。「ルビコン川を渡る」とか「賽は投げられた」とか「ブルータス、お前もか」とか、そんなセリフだけは知ってたんですけど、それがなんなのかはよく知らなかった。これは勉強しちゃうぞって。で、教科書にはカエサルって出てくるんですけど、それがまたラテン語とか、もうね、カエサル、お前の名前はなんなんだよ状態です。で、習ってみたら、そのカエサルが皇帝じゃなかったんです。ローマの初代皇帝はアウグストゥスことオクタヴィアヌスなんですよね。ん? どういうことって。カエサルは古代ローマのすごい政治家で、養子のオクタヴィアヌスが初代皇帝になったと。じゃあなんで皇帝のことをシーザー(カエサル)っていうんだろう。なんかよくわからないけど、そういうことなんだと覚えました。あの辺、三頭政治が2回あったり、みんな名前が似ていたり、ややこしいんですよね。そんななんかいろいろモヤモヤっとしたイメージを古代ローマに抱いて幾星霜、2013年にこのドラマに出会ったんです。以前はHuluで配信されていたんですが、今はAmazonプライムで配信されているので久しぶりに見てみました。やっぱりおもしろい。

概要

米HBOと英BBCの共同制作
総制作費200億円以上、制作期間およそ8年
撮影は2004年にはじまり、ローマにあるチネチッタ・スタジオを拠点にイタリア各地で行われました。
第1シーズン 2005年 全12話
第2シーズ 2007年 全10話

原案 ジョン・ミリアス/ウィリアム・J・マクドナルド/ブルーノ・ヘラー
制作総指揮 ブルーノ・ヘラー/ウィリアム・J・マクドナルド/ジョン・ミリアス/アン・トモポロス/フランク・ドールガー
共同制作総指揮 ジム・ダイヤー/ユージーン・ケリー
製作 マルコ・ヴァレリオ・プジーニ/ルーシー・リッチャー
製作顧問 マイケル・アプテッド
プロダクション・デザイナー ジョセフ・ベネット
衣装 エイプリル・フェリー
キャスティング ニナ・ゴールド/ニナ・ゴールド・アンド・アソシエイツ

日本ではWOWOWで第1/2シーズンが2007年7月-9月に放映されました。
R-15指定になっています。

あらすじ

ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に、共和制から帝政へと移行していく古代ローマの混乱期を描いたドラマです。
シーズン1では、カエサルとポンペイウスの対立からカエサルが暗殺されるまで。
シーズン2では、養父カエサルの意志をついだオクタヴィウス(のちのオクタヴィアヌス)が皇帝として即位するまでが描かれます。
出典:HBO
紀元前52年。共和政の確立から400年を経たローマは、人口100万人、世界で最も財力のある都市として君臨していた。しかし身分階級による貧富の差は激しく、法や政治を統制する元老院は形骸化して力を失っていた。そんな中、8年に渡る戦争の末にガリアを征服したガイウス・ユリウス・カエサルは、百戦錬磨の軍人たちを率い、ガリアの地で得た財宝や略奪品、国民からの厚い支持を持ってローマへの凱旋しようとしていた。元老院はそんなカエサルを恐れ、ローマの地に足を踏み入れれば戦争犯罪者として起訴すると彼を脅した。
出典:HBO

感想

紀元前。極東地域日本には邪馬台国もまだなかっただろう時期です。西の端ではこんなドラマが起こっていたんだろうか。建築物や衣装なんかは忠実に再現されているんだと思う。ワインもガブガブ飲んでいるけど本当にそんな生活を送っていたのかもしれない。現代社会では考えられない風紀の乱れ。男はやることばかり考えている。これは今も昔も変わらないか。キリスト教以前の怪しげな宗教儀式。野蛮な処刑(日本も150年ぐらい前までさらし首やってたけど)。貴族、平民、奴隷。古代ローマの世界が広がります。
出典:HBO
主人公は軍人のヴォレヌス。不器用を絵に描いたような男で、見ていると泣けてくる。戦場から8年振りに帰ってきたら二人の娘は自分のことをよく覚えてないわけです。そりゃそうでしょう。上の子だって13歳とか言ってたから、ヴォレヌスが戦場へ向かったときは5歳ぐらい。なんとなく覚えているだろうけど、下の子はたぶん覚えてないよね。そしたら長女は好きな男と結婚を考えていて、すでに赤ん坊までいる。この赤ん坊というのが実は妻ニオベが浮気相手との間に作った子どもなんだけど、ヴォレヌスはそのことを知らない。もともとニオベはヴォレヌスが嫌いだったとか、夫婦仲がうまくいってなかったとかいうわけじゃないんだけど、給付金が止まって戦争で死んだと思っていたし、残された家族にも生活があるし、仕方ないと思う。でもニオベの浮気相手というのが、ニオベの妹の旦那。妹の旦那の方から言い寄ったみたいだけど、妹は浮気のことも赤ん坊のことも知っているし、人間関係ドロドロです。それで、ヴォレヌスは軍を退役して、家族と新しい生活をはじめようとするんだけど、資金源にしようとして捕まえてきた奴隷は死んじゃうし、家に蓄えもない。妻のことも子どもたちのことも愛しているんだけどどう接していいかわからなくて、よい旦那にも父親にもなれない。結局軍人しかできない。切ない。
出典:HBO
多くの登場人物が実在した人物なんだけど、ヴォレヌスとプッロはドラマオリジナルのキャラ。この二人に何かとうまい話がまわってくるドラマ的なご都合主義を感じないでもない。けどそんなこと気にしていられないほど展開がダイナミックでおもしろい。NHKの大河ドラマも見習ったらいいのにと思う。NHKの大河ドラマだとだいたい実在した人物が主役になるので、主人公が史実ではいなかったはずの場所にいたり、ワープしたのかっていうほど距離と時間を無視したり、運命的に見えるように都合よく人間関係を変更したりするんだけど、オリジナルキャラだったらどうとでもいじれる。いや、別に史実どおりにする必要はないけど、だからって幼なじみにしたり、初恋の相手にしたりする必要はないでしょう。オリキャラが無双しても困るけど、ひたすら主人公に都合よく展開していくよりはほどいい。
出典:HBO
とかなんとか、カエサル、ポンペイウス、アントニウス、クレオパトラ、そしてオクタヴィウス(のちのオクタヴィアヌス)。出てくるのは世界史の用語集に載っている人たちばかり。なぜルビコン川を渡るのか。なぜ「ブルートゥスお前もか」なのか。どうやってオクタヴィアヌスは初代皇帝になったのか。ドラマなので史実ではありません。でも本当にこんな歴史だったのかもと思わせるリアリティがあります。歴史好きに見て欲しい作品です。

ちなみに、ナチスドイツの敬礼のもとになったとされるローマ式敬礼も再現されています。

登場人物

ヴォレヌス

ケヴィン・マクキッド
声:東地宏樹
第13軍団の主席百人隊長。まっすぐで、不正なことが嫌いで、不器用を絵に描いたような人間。幸せになって欲しい。

プッロ

レイ・スティーヴンソン
声:てらそままさき
ヴォレヌスの部下。トラブルメーカー。こういうキャラがいないとドラマが動かないわけで、ご都合キャラ。嫌なやつじゃないけど結構イラッとする。

カエサル

キアラン・ハインズ
声:土師孝也
平民派の政治家。ポンペイウス、クラッススとともに三頭政治を行った。ガリア遠征後、ポンペイウスと対立。打倒し、元老院を圧倒して終身ディクタトルに就任。改革を実施するが、共和派によって暗殺された。カエサルにしてカイザー、シーザー、セザール、ツァーリ、なんか美川憲一さんに似ている気がする。

セルウィリア

リンゼイ・ダンカン
声:蓬莱照子
カエサルの愛人でブルートゥスの母親。アティアと敵対している。

ブルートゥス

トビアス・メンジーズ
声:成田剣
セルウィリアの息子。共和派の政治家。カエサルの友人であったが独裁する彼の暗殺に加担。のちカエサル派に破れて自殺。ブルートゥース(Bluetooth)ではなくブルートゥス(Brutus)。サッカー日本代表長谷部選手っぽい気がする。

ポンペイウス

ケネス・クラナム
声:小林清志
一緒に三頭政治を行ったカエサルの娘ユリアを妻としていたが、その死後はスキピオの娘コルネリアを娶る。元老院派の頭領に担がれカエサルと戦う。

アントニウス

ジェームズ・ピュアフォイ
声:金尾哲夫
カエサルの副官。護民官になってカエサルの権利を守る。カエサルの死後は後継者の座をめぐりオクタヴィウスと対立。嫌なやつだけど優秀。アティアの愛人。

キケロ

デイヴィッド・バンバー
声:田原アルノ
元老院派の代表的人物。元執政官。平民から、弁護士として名を成して元老院議員になったため、武力を用いることを好まない。文筆家としても有名。

カトー

カール・ジョンソン
声:納谷六朗
元老院派の急先鋒。直情的な性格。史実ではブルートゥスの叔父。

アティア

ポリー・ウォーカー
声:小宮和枝
カエサルの姪。オクタヴィアとオクタヴィウスの母。アントニウスの愛人。野心家で傲慢。セルウィリアと対立している。もう出てくるだけでむかつく。けど史実のアティアはあんなに傲慢で狡猾で独占的で不遜な人物ではなかったらしい。なんかどことなく米倉涼子さんに似ている気がする。

オクタヴィア

ケリー・コンドン
声:松下こみな
アティアの娘。オクタヴィウスの姉。かわいい。そしてかわいそう。

オクタヴィウス

(左)マックス・パーキス(少年時代)
声:白鳥哲
(右)サイモン・ウッズ(青年時代)
声:内田夕夜
アティアの息子。カエサルの大甥。実父は騎士だけど早くに死別。聡明さからカエサルの後継者に指名され、養子となってカエサルの名を継ぐ。継承後は共和派やアントニウスと戦いに勝ち抜き、初代皇帝としてパックス・ロマーナを実現した。

ニオベ

インディラ・ヴァルマ
声:吉田陽子
ヴォレヌスの妻。ゲーム・オブ・スローンズでエラリア・サンドやってる。

エイレネ

キアラ・マスタッリ
声:小野涼子
プッロに助けられたガリア人の奴隷。

クレオパトラ

リンゼイ・マーシャル
声:岡本麻弥
エジプトの女王。プトレマイオス朝最後のファラオ。カエサルの死後、アントニウスと共にオクタヴィアヌスと対立する。エロい。

プトレマイオス13世

エジプトの王。7歳で姉クレオパトラと兄弟婚を行い、エジプトを共同統治する。のちクーデターを起こして姉をアレクサンドリアから追放する。

カエサリオン

クレオパトラとカエサルの息子。

ROME[ローマ]を見る

ドラマROMEは、DVD/Blu-rayディスクまたはAmazonプライムビデオで閲覧できます。
ローマ シーズン1 字幕版
ローマ シーズン1 吹替版
ローマ シーズン2 字幕版
ローマ シーズン2 吹替版


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おまけ

懐かしいCMを発見(笑)
「セザ〜〜ル」