Netflix配信ドラマ「バーバリアンズ 〜若き野望のさだめ」シーズン2を紹介します。
シーズン1では、西暦9年にゲルマン部族とローマ帝国との間に起きた「トイトブルクの戦い」が描かれました。ゲルマン部族は帝国の侵攻を食い止めましたが、それは一時的なもので、戦いが終わったわけではありません。
シーズン1からの続きなので、先に見ておくことをおすすめします。シーズン1、2ともに全6話ずつです。それほど長くはないので見やすいかと思います。
前:シーズン1
概要
原題:Barbarians(独:Barbaren)
制作:独ゴーモント
配信:Netflix
配信年:2022年
エピソード数:全6話
時間:1話45-50分程度
推奨年齢:16歳以上
音声はオリジナルのドイツ語か英語で、日本語吹き替えはありません。日本語は字幕のみとなります。
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あらすじ
1世紀初頭、ゲルマニア(現在のドイツ周辺)の人びとはローマ帝国の圧政に苦しんでいました。
幼いときに人質としてローマ帝国に預けられていたゲルマン人のアリは、ローマ軍の士官となってゲルマニアに戻ってきました。ローマ帝国は、ゲルマニア出身のアリを族長にすることで、ゲルマニアの人びとを懐柔する計画でした。しかしアリは諸部族をまとめて反乱。トイトブルクの戦いでローマ軍は大敗し、ゲルマニアから撤退します。
それから1年。ローマ軍が再びゲルマニアに侵攻してきます。
登場人物の紹介のあと、各話を紹介します。
登場人物
アリ
演:ローレンス・ルップ
ゲルマン部族の1つケルスキ族の族長。
ローマでの名前はアルミニウス。
トゥスネルダ、フォルクヴィンの幼馴染。
少年時代、弟フラバスとともに人質としてローマ帝国に預けられました。2人はウァルス将軍のもとでローマの文化、教養を学び、ウァルス将軍が総督としてゲルマニアに派遣されると、アリは士官として従軍。ローマ帝国はアリをゲルマン部族の首長とすることでゲルマニアの人びとを懐柔しようとしていましたが、アリは反乱を起こします。
実在した人物がモデル。
トゥスネルダ
演:ジャンヌ・グルソー
アリの妻。息子トゥメリクスは、元恋人フォルクヴィンとの間にできた子どもですが、アリはそのことを知りません。
実在した人物がモデル。
フォルクヴィン
演:デヴィッド・シュッター
アリの幼馴染でトゥスネルダの元恋人。
シーズン1では、ローマ軍のシンボルを盗み出したグループの首謀者とされ、家族をローマ兵によって処刑されます。その後ローマ兵に捕まって奴隷生活を送りましたが脱走。トイトブルクの戦いに参戦しますが、アリとトゥスネルダが愛し合っていることを知って決別しました。
タリオ
演:フロリアン・シュミットケ
ゲルマン部族出身の傭兵。
ローマ軍に雇われていましたが、アリに説得されて協力。アリが信頼する仲間になりました。
オドブルフ
演:ロバート・マーサー
ケルスキ族の戦士。アリが信頼する仲間。
マルボート
演:ムラサン・ムスル
マルコマンニ族の族長。
かつて人質としてローマで過ごし、ゲルマニアに戻されると族長に就任しました。マルコマンニ族は大きな戦力を持っていますが、マルボートはローマに協力的です。
人質時代、アリやフラバスと過ごすこともあったため彼らは旧知の仲です。フラバスとは愛し合う関係です。
オダリケ
演:カサリーナ・ヘイヤー
マルボートの妻。
ダイド
演:シンシア・マイカス
カルタゴ(アフリカ北岸を中心に栄えた国)出身の女性。
フォルクヴィンのパートナー。
幼いころ村がローマ兵に襲撃され、両親を殺したゲルマニクスを恨んでいます。
フラバス
演:ダニエル・ドンスコイ
アリの弟。
幼いころ、兄アリとともにローマに人質として預けられました。
士官となってゲルマニアへやってきます。
ゲルマン人を蛮族として蔑視し、兄アリを裏切り者として嫌悪する一方、マルボートとは愛し合う関係です。
ガイウス
演:ガブリエレ・リッツォーリ
アリがローマでの妻との間にもうけた息子。
セゲステス
演:ベルンハルト・シュッツ
ケルスキ族の有力者。トゥスネルダとアンスガーの父親。
シーズン1では、ローマに協力することで見返りとして族長の座を狙っていました。シーズン2では、部族の村から追放されています。
実在した人物がモデル。
イルミナ
演:エバ・ヴェレーナ・ミュラー
セゲステスの妻。トゥスネルダとアンスガーの母。
アンスガー
演:ジェレミー・ミリカー
トゥスネルダの弟。ローマ兵に暴力を受けたことが原因で障害を負っています。
予見者ルナ
演:ソフィア・ロイス
ケルスキ族の呪術師・予見者。
ティベリウス将軍
演:ジョバンニ・カルタ
ローマ軍の将軍。
実在した人物がモデル。史実ではローマ初代皇帝アウグストゥスの養子となり、第2代皇帝に即位しました。キリストが刑死したときのローマ皇帝です。
ゲルマニクス
演:アレッサンドロ・フェラ
ティベリウス将軍の息子。ローマ軍の士官。
実在した人物がモデル。史実ではティベリウス将軍の養子で軍人。初代皇帝アウグストゥスの親戚にあたり、次期皇帝と目される有能な人物だったようです。
第1話「新たなる戦い」
トイトブルクの戦い(シーズン1)から1年後。ケルスキ族の族長となっているアリと妻トゥスネルダとの間には、息子トゥメリクスが生まれていました。平和に見えますが、ローマ軍は野営地に兵を集め、再び侵攻の機会を狙っています。
ゲルマニアの諸部族の族長たちが集まり、民会が開かれると、アリは団結と抗戦を主張します。しかしマルコマンニ族の族長マルボートは反対でした。族長たちの意見はまとまりません。
翌朝、アリがマルボートを説得に向かうと、ローマ軍の士官となっている弟フラバスがローマ兵とともに現れました。マルボートとフラバスは協力しており、アリは捕まります。
第2話「捕らわれの身」
アリはローマ軍の野営地に連行されてくると、地下牢に投獄されました。ローマでの妻との間に授かった息子ガイウスに再会します。
アリが捕まったことを知ったトゥスネルダは野営地に侵入。再会したフォルクヴィンとダイドの協力を得てアリを救出しますが、ダイドはローマ兵に切りつけられて重傷。アリは息子ガイウスを連れ出し、トゥスネルダはアリに息子がいたことを知ります。
第3話「父」
アリはガイウスを仲間のオドブルフに預けました。ガイウスは父を裏切りものとして憎み、ゲルマン人を蛮族として蔑みますが、オドブルフと接するうちに次第に考えを改めます。
アリの救出時に重傷を負ったダイドは、予見者ルナのもとで治療を受けます。
トゥスネルダは、アリがローマに妻子を残してきたことは気にしていませんでした。しかしそのことを秘密にされていたことが残念でした。アリへの不信感が高まり、フォルクヴィンにトゥメリクスがフォルクヴィンの子どもであることを打ち明けます。
アリは、ローマに協力するマルボートを許しておくことはできません。決闘して打ち負かしますが、マルボートの前に跪きます。ローマに対抗するには、マルボートが率いるマルコマンニ族の力が必要でした。また、一度ローマに捕まったアリは、指導者としての資質を問われていました。族長たちの支持も厚いマルボートが諸部族をまとめることがゲルマニアのためと考えたのです。
第4話「誓い」
意見がまとまらないまま閉会した民会が再び開かれることになりました。マルボートが王として認められる予定です。
民会に向け、マルボートはケルスキ族の村に招かれました。酒宴が開かれると、マルボートを探していたフラバスが捕まってきました。フラバスはティベリウス将軍から預かってきたメッセージをマルボートに密かに渡します。メッセージは、忠誠の証としてフラバスを殺せという内容です。マルボートはメッセージの内容を伏せたままフラバスに亡命を提案しますが、拒否されます。
酒宴でガイウスと会話していたオダリケは酔っていました。フラバスの命が危ないことを示唆します。ガイウスは、フラバスが監禁されている部屋に忍び込むと、縄を解きました。フラバスはすきを見て脱出します。
フラバスはローマ軍の野営地に戻ってくると、民会が開かれることをゲルマニクスに知らせました。族長たちが集まる民会を襲撃すれば、大きな損害を与えることができます。
フォルクヴィンは、かつて家族をローマ兵に処刑されたとき(シーズン1)、復讐するために初めての子どもを捧げると神に誓いました。トゥメリクスが自分の子どもと知って後悔し、自分の命を捧げると誓いを改めます。そして村を去ろうとしていたところにトゥスネルダの両親が現れました。彼らは、民会へ向かう途中、ローマ兵を見かけたといいます。
民会が開かれます。
第5話「絶体絶命」
ゲルマニクスとフラバスに率いられたローマ兵の部隊が民会に奇襲を仕掛けてきました。フォルクヴィンが助けに現れ、ローマ兵は撤退しますが、ゲルマン人たちの被害は甚大でした。オドブルフとマルボートの妻オダリケも亡くなります。民会に参加していたガイウスは逃げ出します。
ローマ軍の野営地では、ティベリウス将軍がゲルマニクスとフラバスの作戦を称えます。しかしそれは表向きのもので、将軍が考えていた、マルボートを使って部族を懐柔するという計画は絶望的となりました。将軍は2人を叱責し、独断で行動したフラバスを地下牢へ投獄します。
マルボートも復讐を決意。トゥスネルダとフォルクヴィンは、マルコマンニ族へ救援要請に向かいます。
アリは精鋭部隊を率いてローマ軍が野営地の外に作った歓楽エリアを急襲。ゲルマニクスを捕まえます。
マルコマンニ族の集落へ向かっていたトゥスネルダとフォルクヴィンの前にガイウスが現れました。2人はガイウスに案内され、ローマ軍の艦隊が川を上ってきている光景を目にします。艦隊が野営地の軍と合流すれば、とても太刀打ちできそうにありません。
第6話「代償」
トゥスネルダたちは村に戻り、ローマ軍の艦隊が迫っていることを知らせます。マルコマンニ族に知らせ、彼らの援軍を待っている余裕はありません。
アリたちは、ローマ軍の野営地に総攻撃を仕掛けます。ゲルマニクスを野営地に戻し、ローマ兵の注目を集めると、反対側から襲撃を開始。野営地は混戦状態になりました。
混乱の中、フラバスは地下牢を脱出。マルボートを見つけ、彼の危機を助けますが、逆に命を落とします。
ダイドは親の仇ゲルマニクスを見つけました。ゲルマニクスが逃げ出すと、フォルクヴィンが追いかけます。遺体が散乱する中、フォルクヴィンはゲルマニクスに背後から刺されました。ゲルマニクスは逃げ去り、アリとトゥスネルダが駆けつけます。フォルクヴィンは、トゥメリクスのことをアリに託して息を引き取ります。
ローマ軍はほぼ壊滅し、艦隊も撤退しはじめました。
ゲルマン人たちは勝利を収めました。フォルクヴィンの遺体を前に悲しむトゥスネルダの前にカラスが現れます。導かれるように村へ急いで戻ると、村は襲われたあとでした。息子トゥメリクスの姿もありません。トゥメリクスは、セゲステスの手引でティベリウス将軍に奪われていました。セゲステスが報酬を要求すると、セゲステスとイルミナはローマ兵に斬り殺されます。トゥスネルダも捕まります。
(シーズン2 完)
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