写真出典:IMDb
ドラマ「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」は、ニューヨーク・タイムズに連載する人気コラム「Modern Love」に投稿された記事をもとにドラマ化したAmazonプライムオリジナル作品です。恋愛や家族愛、プラトニックラブなどをテーマに描かれた全8話、各30分程度の短編集で、アン・ハサウェイやソフィア・ブテラといった人気俳優の登場も話題です。
恋愛もののドラマや映画を自分から見ることはほとんどないし、小説を読むこともないのですが、好評だったので見てみました。男性か女性か、20代、30代、40代、既婚、未婚、見る人によってさまざまな感想が出てくる作品です。
次:シーズン2
「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」の概要
主演:アン・ハサウェイ、ティナ・フェイ、 デヴ・パテルほか
助演:キャサリン・キーナー、 ジョン・スラッテリー、 アンディ・ガルシア、 ジュリア・ガーナーほか
総監督:ジョン・カーニー
制作:Amazonプライムオリジナル
配信:2019年10月
全8話 各話およそ30分
当記事はじゃっかんのネタバレをしています。ブログを書いておいてこういうのもなんですが、当記事における各話の紹介は、ドラマの各話をご覧になったあとで、ストーリーを確認するために読んでいただいた方がいいかもしれません。
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第1話 私の特別なドアマン
原題:When the Doorman Is Your Main Man
大学に通うため高級アパートに一人暮らしするマギー(演:クリスティン・ミリオティ)は、いつもアパートの前にいるドアマンが目障りです。彼の名前はグズミン(演:ローレンス・ポッサ)。恋に夢見るマギーは次々に男性を連れてきますが、入り口にはつねにグズミンが目を光らせ、マギーに釣り合う相手かどうかを品定めしてきます。そんな生活を続けるうちにマギーは妊娠。父親が誰なのかもわからず、家族にも相談できないまま中絶を考えますが、グズミンに励まされて産むことを決意します。娘が生まれ、子育てをグズミンに助けられながら大学を卒業して就職。夢見ていた出版社への転職も決まりました。しかし転職先はNYから遠く離れたLAです。マギーは今の生活に満足し、娘もすっかりグズミンに慣れ親しんでいます。これまでの生活を捨ててLAに行くべきかどうか悩むマギーに、グズミンは前へ進むことを勧めます。それから5年の月日が流れ……。
第2話 恋のキューピッドは世話好き記者
原題:When Cupid Is a Prying Journalist
記者ジュリー(演:キャサリン・キーナー)は、恋愛サイトを立ち上げた青年実業家ジョシュア(演:デーヴ・パテル)を取材し、彼の恋愛経験について尋ねます。するとジョシュアは、彼の悲しい恋の顛末について話し出します。
ジョシュアはある日、エマ(演:ケイトリン・マギー)と運命的に出会い、つきあい始めて結婚を考えていました。しかし彼女は元カレと一度だけ過ちを犯してしまいます。ジョシュアは失望し、彼女と別れましたが、街で偶然再会。彼女への思いを忘れることができないことに気付いて連絡します。しかし遅すぎました。彼女はすでに婚約してたのです。
エマのことを諦めたというジョシュアにジュリーは自分の過去を語りはじめます。
ジュリーは若いころ海外でマイケル(演:アンディ・ガルシア)と出会い、恋に落ちました。帰国後会う約束をしましたが、彼は現れませんでした。その後彼女は結婚し、カメラマンとして仕事していました。あるとき、自分の写真集のサイン会にマイケルが現れます。ジュリーがサイン会を開くと知って駆けつけてきたのです。そして彼が彼女を訪ねてこなかった理由は、彼女の住所をメモした本を盗まれ、連絡先がわからなくなっていたためでした。二人はお互いに今も愛し合っていることを認めますが、それぞれに大切な家庭があります。昔に戻ることはできません。
ジュリーはジョシュアの恋愛経験を記事にし、彼に後悔して欲しくないとまとめました。その記事を偶然読んだエマは……。
第3話 ありのままの私を受け入れて
原題:Take Me as I Am, Whoever I Am
大学を優秀な成績で卒業し、法律事務所で働くレキシー(演:アン・ハサウェイ)には秘密がありました。彼女は重度の双極性障害者(躁うつ病)だったのです。突然ハイテンションな状態が続いたかと思うと、ベッドから何日も出ることができない状態になります。このことは両親も知りません。
この日、ハイテンションなレキシーは、パーティに行くかのように着飾って朝のスーパーマーケットへ出かけると、イケメンのジェフ(演:ゲイリー・カー)をデートに誘います。はじめて会った女性から誘われたジェフは驚きますが、喜んで約束の日にレキシーを迎えに行くと、ラフな服装に化粧もしていない彼女が現れました。顔は暗く沈み、ほとんど口もききません。まるで別人です。二人の関係がうまくいくはずはありません。
その後、優秀とはいえ持病のせいで欠勤が多くなるレキシーは仕事も失います。職場を去るとき、病気のことを思わず同僚のシルヴィア(演:クインシー・タイラー・バーンスティーン)に打ち明けました。嫌われると思って今まで誰にも話したことがありませんでしたが、シルヴィアはレキシーのことを受け入れます。レキシーは、これまで家族や友人を信じていなかったことに気付きます。
第4話 夫婦という名のラリーゲーム
原題:Rallying to Keep the Game Alive
サラ(演:ティナ・フェイ)は、夫デニス(演:ジョン・スラテリー)との結婚生活に不安を抱いていました。子育てが終わったあとも自己中心的な夫とずっと生活していくのでしょうか。共通の趣味はないし、夫の交友関係も知りません。二人でやることといえば、定期的に受けているカウンセリングのあとに一緒に映画を見ることぐらいです。その映画も気分次第では見ないこともあります。次第に夫のやることすべてが気に入らなくなり、サラは思っていることを口にします。デニスは妻の悩みに気付き、謝罪して考えを改めます。そして二人の子どもたちは生意気ながらも他人から好感が持たれるぐらいには育っているようです。なんだかんだうまくやってきたのです。二人は夫婦生活を続けていきます。
第5話 デートの幕あいは病院で
原題:At the Hospital, an Interlude of Clarity
ロブ(演:ジョン・ギャラガー・ジュニア)は、すれ違う男性がみな振り返るほど魅力的な女性ヤスミン(演:ソフィア・ブテラ)と知り合い、引っ越してきたばかりの新居に案内します。
部屋に着くと、ヤスミンは見栄えのする写真やロブと過ごす様子をSNSに投稿します。そして二人のムードが高まってきたとき、ロブは割れたグラスで腕に大けがを負ってしまいました。救急車ですぐに運ばれて手術します。手術は成功し、一晩入院することになりました。その間ヤスミンは血で汚れた衣服を気にせずずっと付き添い、不自由になったロブの腕を気遣って身の回りの世話をしてくれます。何気ない会話から、ロブはヤスミンが元カレと別れた理由について聞きます。ヤスミンは、承認欲求が強い自分の性格が原因だと話しました。ヤスミンが自分の性格を卑下すると、ロブは誰でも人によく見られたいといって理解を示します。ロブ自身、救命士には年齢を実年齢より若く申告し、ヤスミンの前では格好良く振る舞おうとしていました。翌日、ロブが退院することになると、ヤスミンは化粧を落とし、コンタクトを眼鏡に変え、着飾らない姿でロブに接します。
第6話 パパみたいな人とデート?
原題:So He Looked Like Dad. It Was Just Dinner, Right?
幼いころに父親を亡くしたマディ(演:ジュリア・ガーナー)は、親子ほど年の離れた職場の上司ピーター(演:シア・ウィガム)に惹かれます。二人は会社の外でも会うようになり、マディはピーターとの擬似的な親子関係を楽しみます。しかし何度かデートを重ねたある日、ピーターは性的な関係を求めてきました。マディは驚き、ピーターを拒絶します。ピーターは、マディは自分に気があるものと勘違いしていたのです。二人の関係はぎくしゃくし、職場でも疎遠になります。ピーターは深く反省し、マディを呼び出すと、辞職することを打ち明けます。そして最後だといって父親が成長した娘に贈る賛辞の言葉をマディに贈りました。マディは自分はもう子どもではないと実感し、歩き去るピーターを呼び止めます。
第7話 僕らが見つけた家族のカタチ
原題:Hers Was a World of One
同性愛者のトビン(演:アンドリュー・スコット)とアンディ(演:ブランドン・カイル・グッドマン)は養子縁組の紹介所から妊娠中の女性カーラ(演:オリヴィア・クック)を紹介されます。二人がカーラに会うと、生まれてくる子どもを二人に譲ることを承諾します。二人は喜びますが、カーラには問題がありました。彼女は家を持たない路上生活者だったのです。そして出産までの数週間、カーラは二人の家に居候することになります。しかしカーラは自由奔放で傍若無人、部屋にテントを張って生活し、料理はめちゃくちゃ、ところ構わず洗濯物を干します。見知らぬ男性を連れ込んで性行為を行うこともありました。衝突しながらも三人の共同生活は続き、カーラはついに女の子を出産。出産に立ち会ったトビンは、カーラが本当に子どもを育てる気がないのか確認します。するとカーラは、自分が産んだ子どもを愛しているといいます。しかし彼女は一般の生活に戻ることはできません。子どもに自分の生活を強要することはできないといって二人に娘を託します。
数年後、ジューンと名付けられた娘は健やかに育ち、親となったトビンとアンディは、母親カーラについて語って聞かせます。
第8話 人生の最終ラップは より甘く
原題:The Race Grows Sweeter Near Its Final Lap
お互いの伴侶をなくしたマーゴ(演:ジェーン・アレクサンダー)とケン(演:ジェームズ・サイトウ)はマラソン大会で出会い、恋に落ちて再婚します。すでに高齢だった彼らの結婚生活は長く続きませんでしたが、二人で過ごした時間は幸せだったとマーゴは考えます。そして二人で楽しんだマラソンを、二人で走った人生を思い出すように、ニューヨークの街を走り出します。そこにはたくさんの人々が暮らしており、それぞれの恋、人生があります。
感想
第8話でこのドラマに対する印象ががらりと変わりました。
恋愛ドラマというと、イケメンと美女が出てきてオシャレな場所でオシャレな会話を交わして、好きだの嫌いだのを繰り返す物語を想像してしまうのですが、自分の生き方とか考え方を見つめさせてくれるドラマでした。思っていたよりいい。
このドラマは全8話構成です。それぞれが個別の物語のようで、つながったひとつの物語といえます。第8話では、それまでの物語で登場した人物が登場し、物語のその後や少し疑問だった点などが明かされます。第2話「恋のキューピッドは世話好き記者」に出てきたジョシュアとエマがどうなったのかがわかりました。第6話「パパみたいな人とデート?」では、物語のあとどうなったのだろうと感想を抱きましたが、その一端がわかりました。ピーターがどうなったのか気になりますが。第5話「デートの幕あいは病院で」に登場したロブとヤスミンの出会うシーンが描かれます。こういうのずるいですね。すべての話がいっきにフラッシュバックしてつながり、みんなそれぞれ生きているのだなと思えて泣けてきます。自分の涙腺が弱くなったことを実感しました。
途中、もしかしたらこのドラマは自分には合わないなと思うかも知れません。でもできたら最終話まで見ることをおすすめします。
モダン・ラブを見る
ドラマ「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」はAmazonプライムオリジナル作品です。Amazonで見ることができます。
同ドラマは、再生中に字幕の有無や音声の言語を日本語や英語から切り替えることができます。
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