写真出典:IMDb
性に貪欲で感情にまっすぐな女性を赤裸々に描いたドラマ「フリーバッグ」。Amazonでのレビュー評価が高く、エミー賞を受賞するなど話第にもなっていたので見てみました。そうしたら結構下品で、わかっていたとはいえちょっとつらい。3話ぐらいまで見たときやめようかと思ったのですが、全話見ても3時間ぐらいということで見終えたシーズン1。主人公の持つ深い悩みが明かされ、うならされました。
シーズン2も見てみます。
フリーバッグ シーズン2の概要
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初回放送:2019年3月4日
全6話 各30分弱
放送局:英BBC One/英BBC Two
脚本・主演は劇作家でもあるフィービー・ウォーラー=ブリッジ
2019年(第71回)エミー賞のコメディ部門で、作品賞や主演女優賞、監督賞、脚本賞など6部門を受賞
2019年テレビ批評家協会賞でプログラム・オブ・ザ・イヤーを含む最多3部門を受賞
シーズン1についてはこちらを参照ください。
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フリーバッグ シーズン2のあらすじ
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シーズン1から1年後。パパと代母の結婚式が開かれることになり、家族が集まります。その席で主人公は、結婚式を取り仕切ることになった司祭と知り合い、彼のことが気になります。しかし司祭は神に仕える身であり、禁欲を誓った身分です。
また、姉クレアの夫マーティンと口論となり、殴り合いの喧嘩になります。先に手を出したのは主人公です。後日、マーティンは主人公を訴えると言い出します。
フリーバッグ シーズン2の感想
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シーズン1に比べると性的なシーンは控えめになっています。カフェの経営が軌道に乗り、主人公の生活が安定したせいかもしれませんが、そこに至る経緯は、冒頭で「ここまでにいろいろあった」の一言で飛ばされてしまうためよくわかりません。
しかし主人公が性に開放的な点に変わりはありません。彼女の話題はいつも誰と誰がやりたがっているとか、いい男かどうかとか、最近はいつやったのかとか、そんな話ばかりなのでうんざりします。
前述のように、主人公が経営するカフェは人気店になっていました。シーズン1でもモルモットをテーマにしたカフェはおもしろいといわれていましたが、どうして急に人気が出たのか。誰かがアドバイスしたのか、もともと主人公が考えていた趣向が受け入れられたのか、もう少し説明して欲しかったです。
ドラマ内でこんな台詞があります。
「女性は定期的な生理痛や出産など、生まれつき痛みと付き合っていかなくてはならない。男は痛みを自分から作る。戦争も男がはじめた。痛みを感じて人とふれあうためにラグビーもはじめた」
なかなか考えさせられる男女観です。
本作は主人公が視聴者に話しかけてくる演出が特長ですが、シーズン2で登場した司祭は主人公が視聴者に話しかけると異変に気付きます。「おい、どうした。今、心がどこかへ行っていたぞ」
フィクション世界と現実世界の境界を超える現象を「心がどこかへ行く」と表現したのは斬新だと思いました。
姉クレアの人生にも変化が訪れようとしています。彼女は主人公に向かっていいます。「いつもあなたを追いかけていた」 対照的な姉妹ですが、姉は妹を、妹は姉をうらやましく思っていました。いつもぶつかっていた姉妹ですが、少しわかりあえたようでしんみりします。
主人公は司祭に愛を告白し、司祭も応えます。主人公は男と見ればすぐにやりたがるのでまだわかるのですが、司祭は結局なんで主人公にひかれたのでしょう。一目惚れということなのでしょうか。次第に人を好きになっていく過程ももう少し丁寧に描いて欲しかったと思えます。といっても3時間じゃ無理か。
さて、主人公は司祭に打ち明けます。
「誰か教えて欲しい。何を好み、何を憎み、何に怒ればいいか。何を着ればいいのか。何を食べればいいのか。誰を愛し、どうやってそれを伝えればいいのか」
人生に正解はあるのでしょうか。
ドラマは「これはラブストーリー」という主人公の台詞ではじまりました。ラストはちょっと切ないです。でもいい結末でした。あれでよかった。
ドラマ「フリーバッグ」はコメディドラマということになっています。笑えるかどうかは個人個人で異なると思いますが、僕は笑えませんでした。こいつとは寝ないと言った次のシーンはベッドシーン。もうわかったから。下ネタが苦手なわけではありませんが、穴がどうだ、男性器がどうだ、いい男とやりたい、俺は上手だ、ずっとそれなのでしつこい。
愛する相手を見つけたとき、人は強くなれる。そんな風なことを言っていました。司祭が重要なポジションだったせいもあり、ちょっとキリスト教臭いのかも知れません。汝、隣人を愛せよ。
ところどころ考えさせられます。ありきたりながら、人生思うほどうまくいかないよって思います。いやいや、このドラマに共感できるってことは自分の人生がうまくいっていないということなのかもしれません。
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フリーバッグ シーズン2の登場人物
フリーバッグ
演:フィービー・ウォラー・ブリッジ
主人公。ロンドンに住む女性。皮肉屋で毒舌家、盗難癖があり、下品でセックス依存症。友人のブーとはじめたカフェを経営していますが経営難に陥ってます。
司祭
演:アンドリュー・スコット
パパと代母の結婚式を取り仕切ることになった司祭。いい男なので主人公は興味を抱きます。もしこのドラマの日本版ができたとしたら、お寺の僧侶になるのでしょうか。だとちょっと印象違うかもなあ。
演じるアンドリュー・スコットさんはドラマ「SHERLOCK」におけるモリアーティ役の印象が強いです。
クレア
演:シアン・クリフォード
主人公の姉。キャリアウーマン。シーズン1では、フィンランドへの栄転を受けるかロンドンで夫マーティンとの生活を続けるどうかで悩んでいましたが、シーズン2ではフィンランドまで通勤することにしました。しかしマーティンとの生活に悩んでいます。
パパ
演:ビル・パターソン
主人公の父親。妻を亡くしたあと、子どもたちの名付け親である代母と結婚します。
代母
演:オリビア・コールマン
代母(God Mother)とは、キリスト教の名付け親のこと。主人公たちの名付け親で芸術家。父親の再婚相手。主人公たちとは相性が合いません。
マーティン
演:ブレット・ゲルマン
クレアの夫。クレアのヒモのような生活を送るゲス野郎。クレアがなぜ結婚したのかわかりません。しかし彼は彼なりにクレアを愛していたようです。
クレア
演:クリスティアン・ヒルボーグ
姉クレアのフィンランドでの仕事仲間。主人公の姉クレアと同名ですが、キャストではKlairと紹介されており、姉クレア(Clair)とはスペルが違います。クレアがクレアをクレアと呼ぶ。ちょっとおもしろかったですけどね。
熱心な女性蔑視者
演:レイ・フィアロン
主人公が起こされた訴訟に際し、主人公が依頼する弁護士。姉クレアの知人。キャストではHot Mosogynistと紹介されています。
ブー
演:ジェニー・レインズフォード
主人公の親友で一緒にカフェを経営していましたが、恋人の浮気が原因で自殺しました。
ハリー
演:ヒュー・スキナー
主人公の元カレ。チャリティ会場で主人公が偶然再開。結婚して一児の父となっていました。
銀行の支配人
演:ヒュー・デニス
主人公が経営するカフェの融資を担当する銀行の支配人。モルモットとハムスターの区別ができません。
アーセホール・ガイ
演:ベン・オルドリッジ
主人公の元セフレ。
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フリーバッグ シーズン2を見る
フリーバッグは、Amazonプライムで視聴できます。
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