写真出典:IMDb
「埋もれる殺意」は、英国で制作された刑事ドラマです。イケメンもセクシーな女性も出てこないし、登場人物たちの軽妙な会話のやり取りもありません。トリッキーな仕掛けもありません。ただひたすらに、実直に刑事たちが事件の真相に迫ります。次第に事件の全容が見えてくる展開にハラハラします。
埋もれる殺意 シーズン1 概要
原題:Unforgotten
制作:英国ITV
初回放送:2015年10月8日
全6話
出演:ニコラ・ウォーカー、サンジーヴ・バスカ、 バーナード・ヒル、トレヴァー・イヴ、トム・コートネイ
監督: アンディ・ウィルソン
脚本:クリス・ラング
製作者:クリス・ラング、 ローラ・マッキー、 サリー・ヘインズ
「埋もれる殺意 〜39年目の真実〜」は、2015年から英国で放送されているクライムサスペンスドラマです。原題の「Unforgotten」は、直訳すると「忘れられない」という意味。好評だったため、2017年にシーズン2「26年の沈黙」、2018年にシーズン3「18年後の慟哭」が放送され、2019年にはシーズン4が放送される予定です。
国内ではシーズン1〜3がWOWOWで放映され、Amazonプライムビデオなどで配信されました。
犯罪ものですが、残虐なシーンはありません。登場人物にフラッシュバックされる映像として暴力シーンはありますが、血しぶきや肉片などは出てきません。女性の裸や露骨な性行為のシーンはありません。
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埋もれる殺意 シーズン1 あらすじ
英国ロンドン。取り壊されたホステルの下から白骨化した遺体が見つかります。
頭蓋骨から人為的な損傷が見つかったため、警部キャシーと部下のサニーは事件として捜査を開始。遺体と一緒に見つかった車のキーを手がかりに捜査を進めると、被害者の日記が見つかります。遺体は39年前に殺された17歳の少年のものでした。そして日記には、何名かの人物の名前が一覧となって書かれていました。一覧にある名前を一人ずつ調べていくと、容疑者は次の4人に絞られます。認知症の妻と暮らす車椅子生活の男性エリック、政界に影響力を持つ実業家フィリップ、家族や自分が住む地域を愛する牧師ロバート、夫婦でサッカーチームを支援するリジーです。
(下の方でネタバレしています)
埋もれる殺意 シーズン1 感想
登場人物が多いため、人間関係を把握するのに時間がかかります。主要な人物は数人なのですが、彼らの家族や関係者も登場するため、名前をいわれても誰のことだかすぐにはわからないのです。何をやっている人なのか、彼らが物語にどんな関係があるのか、登場人物を整理していくのもミステリーの醍醐味とえいますが、3話ぐらいまで混乱するかもしれません。
事件は39年前(物語内の時間で1976年)に起きた殺害です。名探偵が出てきてずばりと解決というわけにはいきません。1話完結型のドラマと違い、刑事たちが事件を捜査する様子がじっくりと描かれます。
手がかりとなる車のキーから車種が判明し、車の所有者がわかり、盗難車だったことがわかります。見つかった日記に出てくる人物が見つかりません。捜査を進めると今はミドルネームを使っていることがわかります。少しずつ真相が明かされ、人物たちがつながっていくと、そういうことかとうならされます。
物語の背景には貧富の差や人種差別、家庭内暴力、老人性痴呆、介護、同性愛、不倫などの社会問題がてんこ盛り。事件当時と現在(物語内の時間で2015年)との社会通念や法律の違いも影響してきます。人は、家族は家人の過去の過ちを許すことができるのしょうか。そんなことを考えさせられました。
事件は解決しますが、ちょっとだけモヤッとします。ハッピーエンドとはいえない部分もあります。
容疑者は4人。彼らはどのように事件に関係しているのか。全6話を2日間で見ました。見応えあるドラマです。
埋もれる殺意 シーズン1 登場人物
カサンドラ・スチュアート
演:ニコラ・ウォーカー
愛称キャシー。主人公の女性警部
英国ロンドンの警察は、中心部(シティ・オブ・ロンドン)を除くロンドン全域を管轄する「ロンドン警視庁(スコットランドヤード)」と、中心部を管轄する「ロンドン市警察」という2つの組織があります。
そしてロンドン市警察はビショップスゲート、スノーヒル、ウッドストリートの3カ所に警察署を配置しており、キャシーはビショップ署に所属しています。
サニル・カーン
演:サンジーヴ・バスカ
愛称サニー。キャシーの部下
ジェイク・コイラー
演:ルイス・リーヴス
キャシーの部下
カレン・ウィレッツ
演:ピッパ・ニクス
キャシーの部下
マーレイ・ボルティング
演:ジョーダン・ロング
キャシーの部下
マーティン・ヒュージ
演:ピーター・イーガン
キャシーの父親
アダム・スチュアート
演:ジャッサ・アルワリア
キャシーの息子の一人
ジミー・サリヴァン
演:ハーレイ・シルヴェスター
取り壊されたホステルの下から発見された白骨死体の被害者
モーリーン・サリヴァン
演:フランシズ・トメルティ
ジミーの母親
ロバート・グリーヴス
演:バーナード・ヒル
容疑者の一人。家族を愛する牧師。しかし家族に隠している過去があるようです。
グレイス・グリーヴス
演:ハンナ・ゴードン
ロバート牧師の妻
キャロライン・グレーヴス
タムジン・モールソン
ロバート牧師の娘。ロバート牧師の初孫を妊娠中。
エリー・グリーヴス
演:クレア・グーズ
ロバート牧師の娘。結婚を控えています。
フィリップ・クロス
演:トレバー・イブ
容疑者の一人。政界にも影響のある実業家。現在の地位に上り詰めるまでには汚いこともしてきたようです。
シャーリー・クロス
演:シェリー・ルンギ
フィリップの妻
ベラ・クロス
演:ゾーイ・テルフォード
フィリップの娘。弁護士。
ジョシュ・クロース
演:トム・オースティン
フィリップの息子。父フィリップの会社で働いています。
リジー・ウィルトン
演:ルース・シーン
容疑者の一人。貧しい黒人青年らをサポートしています。若いころは人種差別運動に参加していました。
レイ・ウィルトン
演:ブライアン・ボーヴェル
リジーの夫。青年たちのサッカークラブの監督をしています。
カーティス
演:アデ・オイフェソ
家庭に問題があり、リジーが支援しています。
エリック・スレイター
演:トム・コートネイ
容疑者の一人。事件のあったホステルの元従業員。車椅子に座っています。
クレア・スレイター
演:ジェマ・ジョーンズ
リックの妻。痴呆症で息子の区別もできません。
レス・スレイター
演:ドミニク・パワー
エリックとクレアの息子。両親の面倒を見ています。
マット・スレイター
演:アダム・アスティル
エリックとクレアの息子。あまり家には帰ってきません。
埋もれる殺意 シーズン1 ネタバレ
ジミーを殺した犯人は、エリックの妻クレアでした。
39年前。ジミーはジョジョと付き合っていました。彼女が妊娠し、堕胎費用が必要となったため借金します。しかし借りたお金をリジーに盗まれてしまいました。ジョジョの手術が無理になっただけでなく、借金の返済も不可能になりました。そのため、借金の回収を行っていたフィリップに暴力を受けます。
ジミーはお金を稼ぐため身体を売ることにしました。ジミーの客だったのがエリックです。そして、夫の性的嗜好を許せなかったクレアがジミーを殺したのです。クレアはその後認知症になってしまいます。
ジョジョは妊娠したことをジミーに打ち明けましたが、実は彼の子どもではなく、牧師ロバートとの間にできた子どもでした。ジミーが殺されたあと、ジョジョはロバートに相談します。ロバートはジョジョとの子どもを隠れて育てることにすると、出産費用や養育費のために教会のお金を横領していました。
おすすめドラマ
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