ドラマ「ジョン・アダムズ」のあらすじとネタバレ 登場人物を紹介

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写真出典:HBO

カーモンベイビー アメリカッ 2018年はDA PUMPの「USA」が日本を席巻したように思えます。トランプ大統領の話題も毎日のように見聞きします。ハリウッドの映画やMLB、音楽など、アメリカはかなり身近な存在です。でもジョン・アダムズという人物については知りませんでした。どうやら第2代アメリカ大統領で、アメリカ建国の父と呼ばれる人たちの一人みたい。ワシントンとかリンカーンなら聞いたことあるんですけど、ジョン・アダムズは知らなかったなあ。アメリカ人にとっての信長とか秀吉、西郷さんみたいなものなのでしょうか。全7話だし、見てみました。

ドラマ「ジョン・アダムズ」について

概要

アメリカ合衆国初代副大統領、第2代大統領となったジョン・アダムズを通してアメリカ建国期の混乱と不安定な時代を描いた歴史ドラマ
ピューリッツァー賞を受賞したデヴィッド・マックロー著『ジョン・アダムズ』を原作としています。
各話70分程度 全7話
2008年 米HBO制作
PG12指定
第60回エミー賞13部門受賞
第66回ゴールデングローブ賞4部門受賞

感想

アメリカ独立の歴史をある程度知っている人向けのドラマです。高校で世界史もやったのですが、教科書に載っていた程度の知識では何が起きているのかわからないので退屈でした。出てくる人物はワシントンとジェファーソンぐらいしか聞いたことないし、フィラデルフィアの名前は聞いたことあるけどアメリカのどこにあるのかわからない、各話で年代が飛ぶので途中に何が起こっていたのかもわかりません。
当たり前といえばそれまでなのですが、このドラマはもともとアメリカで作られたアメリカ人の視聴者向けのドラマなので、自国の歴史として学校で習うであろうアメリカ人にしてみれば馴染みある偉人たちが勢揃いでおもしろいのかもしれません。

主人公のジョン・アダムズについては名前も知りませんでした。アメリカ第2代大統領だそうです。彼が情熱的なことは伝わってくるのですが、なんか短気でいつも怒っているし、ライバルには攻撃的だし、偉くなると自惚れるし、正直、好感が持てませんでした。物語に出てくるようなヒーローではなく、人間くさい人物ということなのかもしれません。

ドラマの内容はさっぱり頭に入ってきませんでしたがアメリカ独立戦争にはとても興味がわきました。毎回、ドラマ内で何が起きていたのかをネットで調べてしまいます。略史を最後にまとめたのでご参考ください。

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第1話 集結せよ、さもなくば死

1770年、「ボストン虐殺事件」が起きます。イギリス兵が告発されますが、アメリカ植民地にイギリス兵を弁護する弁護士はいません。公平さを重視するジョン・アダムズが弁護を引き受け、勝訴します。人望を集めたアダムズは、大陸会議に招かれます。

ボストン虐殺事件はドラマの中で起きた事件かと思ったのですが、実際にあったできごとでした。

第2話 独立

1775年。レキシントン・コンコードの戦いが起こり、独立戦争がはじまります。ジョン・アダムズは第2回大陸会議に招かれ、独立について代表者たちと議論が交わされます。

ワシントンが出てきました。彼に限らず、ジョンもジェファーソンも似ている俳優さんを使うところがすばらしい。
アメリカも最初は全員が独立したいわけじゃなかったようです。植民地の人々は、税金が高いことよりも勝手に決められたことに対して怒っているようでした。イギリス本国が植民地の人たちもちゃんと議会に呼んでいれば、アメリカは独立しなかったのかもしれません。

第3話 自由を求めて

独立戦争がはじまった翌年。1777年。ジョン・アダムズはベンジャミン・フランクリンとともにフランス全権大使に任命されます。そしてフランスに支援を求めますが、なかなかよい返事はもらえませんでした。

フランス語を話せないジョン・アダムズをフランスに派遣するって失敗でしょう。それでも10数年後、フランス革命が起こるのかと思うと興味深い。フランス革命とかナポレオンのドラマを見てみたいと思いましたがなかなかよいのがありません。

第4話 再会

ジョン・アダムズは妻のアビゲイルと再会します。そしてイギリス全権大使に選ばれ、イギリス国王に謁見します。

ジョン・アダムズがイギリス国王に謁見するシーンは緊張感がありました。しかしあの王様が誰だったのかわかりません。どうやらジョージ3世だったみたいです。

第5話 団結か死か

1789年から97年にかけて、ジョン・アダムズは2期にわたりアメリカ合衆国初代副大統領に選ばれます。しかし、ワシントン大統領の側近たちからは疎外されていました。

ジョンがなぜ疎外されているのかよくわかりません。

第6話 不要な戦い

1797年、ジョン・アダムズは第2代大統領に就任します。ナポレオン戦争の余波がアメリカにも届き、議会がイギリス派とフランス派に別れる中、ジョンは戦争の回避策を推進します。

ジェファーソンは友人なのだと思っていたのですが、いつのまにかライバルになっていました。

第7話 ピースフィールド

政界を引退したアダムズは回顧録の執筆をはじめます。ラッシュ医師の後押しを受け、旧友でありライバルであったトマス・ジェファーソンと手紙のやりとりをはじめます。

1797年、アダムズは90歳で亡くなりますが、2001年にレーガン元大統領に抜かれるまで大統領最長寿記録を保持していたとのことです。
日本のドラマだと、最後は光が当たって息を引き取っていくようなシーンが描かれがちですが、よぼよぼになったアダムズがよだれを垂らしながら死んでいくシーンが何かリアルで悲しかったです。また、画家ジョン・トランブルが自分の描いた「独立宣言への署名」についてジョン・アダムズに感想を求めるシーンが出てきます。「こんな場面はなかった」と一瞥するジョンが印象的でした。


「独立宣言への署名」(ジョン・トランブル画)
出典:Wikipedia(パブリックドメイン)

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ドラマ「ジョン・アダムズ」の登場人物

ジョン・アダムズ

演:ポール・ジアマッティ

1735年-1826年
マサチューセッツ州の代表として大陸会議(アメリカ13州の代表によって開かれた会議)に参加し、1776年の独立宣言の採択では指導的役割を果たしました。
アメリカ初代大統領ワシントンのもとで副大統領を2期務め、その後第2代大統領に選ばれました。

アビゲイル・アダムズ

演:ローラ・ニリー

1744年-1818年
ジョン・アダムズの妻。ジョンは政治的な相談を妻にしばしばしており、夫が大統領就任後もファーストレディとして積極的に活動しました。

トーマス・ジェファーソン

演:スティーヴン・デレイン

1743年-1826年
第3代アメリカ大統領。独立宣言の主要な起草者。

サミュエル・アダムズ

演:ダニー・ヒューストン

ジョン・アダムズのはとこ。

ジョージ・ワシントン

演:デヴィッド・モース

1732年-1799年
アメリカ合衆国の軍人。1775年、総司令官に任命され、独立戦争を指導しました。1789年初代大統領に就任します。

ナビー・アダムズ

演:サラー・ポリー

ジョンの娘

ベンジャミン・フランクリン

演:トム・ウィルキンソン

1706年-1790年
第2回大陸会議に参加してアメリカ独立宣言の起草に貢献しました。凧を使って雷の実験をしたというエピソードが有名です。

アレクサンダー・ハミルトン

演:ルーファス・シーウェル

1755年-1804年
アメリカ合衆国憲法の起草者。

ジョン・ディキンソン

演:ジェリコ・イヴァネク

1732年-1808年
穏健派の指導者。

ジョン・クィンシー・アダムス

演:エボン・モス=バークラク

1767年-1848年
ジョン・アダムズの息子。のちの第6代大統領。

ジョナサン・スーワル

演:ガイ・ヘンリー

1729年-1796年
ジョン・アダムズの友人
ボストン虐殺事件が起こったとき、ジョンに弁護人を依頼します。

ティモシー・ピカリング

演:ジョン・キーティング

1745年-1829年
ジョージ・ワシントンおよびジョン・アダムズ大統領のもとで国務大臣を務めます。

ベンジャミン・ラッシュ

演:ジョン・ドセット

1745年-1813年
ジョン・アダムズとトーマス・ジェファーソンを和解させました。

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アメリカ独立戦争 略史

このドラマは、アメリカ独立戦争について知っているとより楽しめると思います。というより、知らないと何が起こっているのかわかりません。ちょっと調べてみました。


画像出典:世界の歴史マップ

背景

17世紀から18世紀中頃にかけて、イギリスとフランスは植民地獲得を巡ってヨーロッパやインド、アメリカ大陸を舞台に争いを繰り返していました。結果的にイギリスはフランスに勝ち、広大な植民地を獲得。大英帝国を築いていくのですが、戦争にはお金がかかるので莫大な負債も抱えます。そこで「印紙法」や「タウンゼンド諸法」「茶法」といった法律を次々と制定し、アメリカ植民地の課税を強化しました。植民地の住民の不満が高まり独立へと動きます。

1755-1763年 フレンチ・インディアン戦争

イギリス軍と、フランス軍とインディアンの同盟軍が北アメリカの植民地を巡って起こった戦争です。イギリスが勝利し、北アメリカにあったフランスの植民地のほとんどがイギリスに渡りました。しかし、イギリスは莫大な負債を抱えることになります。以降、1764年の砂糖法や1765年の印紙法、1767年のダウンゼンド諸法といった法律が制定されては反対にあって廃止されます。

1770年 ボストン虐殺事件

ボストンで起きたイギリス兵と民間人の喧嘩が暴動に発展し、イギリス兵が発砲した事件です。虐殺事件と呼ばれますが、市民5人が射殺されました。
ドラマはこの事件からはじまります。

1773年 ボストン茶会事件

当時はアメリカ人もお茶が好きでした。しかしお茶に高い税金が課せられていたので、アメリカの人たちはお茶を密輸するようになり、イギリスからお茶を買わなくなります。そこでイギリス政府は茶法を制定し、お茶を東インド会社の専売としました。植民地の人たちの不満が爆発。「ボストン茶会事件」が起こります。これは、ボストン港に寄港した東インド会社の船に積まれていた茶箱を人々が海へ投げ捨てた事件です。イギリス政府は犯人を探しますが、植民地の人々は「ボストンで茶会(ティーパーティ)を開いただけ」といって協力しませんでした。以降、アメリカ人は紅茶を飲まなくなり、コーヒーを好むようになったそうです。

1774年 第1回大陸会議の開催

ボストン茶会事件の結果、イギリス本国がボストン港を封鎖するなどの強硬手段に出たため、フィラデルフィアに13植民地の代表が集まり第1回大陸会議が開かれます。

経緯

1775年4月 開戦

イギリス本国は、植民地の人々が武器を隠しているとしてコンコードに軍を派遣。アメリカの人々は、イギリス軍がレキシントンの町にさしかかたっとき攻撃。のちに独立戦争と呼ばれる戦争がはじまります。

1775年5月 第2回大陸会議

フィラデルフィアで第2回大陸会議が開かれ、ジョージ・ワシントンが総司令官に就任します。

1776年7月 独立宣言

トマス・ジェファーソンが「アメリカ独立宣言」を起草。7月4日、大陸会議で採択されます。アメリカでは、この日が独立記念日(インデペンデンスデイ)とされています。

1777年10月 サラトガの戦い

アメリカ軍は苦戦が続きましたがサラトガの戦いで勝利すると戦局が逆転。

1778年2月 フランスの参戦

サラトガの戦いでアメリカ軍が勝利すると、それまで支援にとどまっていたフランスが参戦します。これで、ヨーロッパでも英仏間の戦争がはじまります。79年にはスペイン、80年にオランダもアメリカに協力して参戦。ロシアが中立を決めるなど、イギリスに不利になっていきます。

1783年9月 パリ条約

アメリカの独立が認められ、国境がミシシッピ川まで広がりました。

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