写真出典：IMDb
2019年にはアップルやディズニーの参戦が報道されており、ユーザーの固定化と獲得に拍車がかかる動画配信サービス。オリジナル作品は差別化を図る要素として各社力を入れているようです。Aamzonプライムビデオは、Amazonプライムというサービス群の1つというかオマケみたいなところがあって、オリジナル作品には力を入れていないだろうという思いがあったのですが、そんなことはまったくなかったようです。むしろ賞を獲得するようなおもしろい作品があるらしいということで、「マーベラス・ミセス・メイゼル」のシーズン1を見てみました。
次：シーズン2
概要
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タイトル：マーベラス・ミセス・メイゼル
原題：The Marvelous Mrs. Maisel
制作：Amazonスタジオ
2017年11月配信
全8話
「マーベラス・ミセス・メイゼル」は、2017年3月に放映が開始されたAmazonビデオのオリジナルドラマです。1話あたりの放映時間は50分程度、シーズン1は全8話です。そしてまだシーズン2までしか放映されていません（シーズン3は放映決定済み）。24話とかあるシーズンを見始めるとなると勢いが必要ですが、8話程度だと試しに見てみようかという気になります。
2018年9月に発表されたプライムタイム・エミー賞では、「マーベラス・ミセス・メイゼル」がコメディ部門で最多の5冠を達成し、ニュースになりました。プライムタイム・エミー賞は、プライムタイムに放送されているドラマに贈られる賞で、海外ドラマの最高峰とされています。「エミー賞」というと、通常、プライムタイム・エミー賞を指します。1949年にはじまり、2018年に第70回を迎えました。テレビ番組だけでなく、netflixやHule、Amazonなど、動画配信サービスも対象になっています。
舞台は1958年のニューヨーク。主人公ミッジことミリアム・メイゼルが着こなす色鮮やかな衣服やポップなインテリア、レトロなタクシーや地下鉄、当時の人々の生活の様子なども話題になったドラマです。
エミー賞についてはこちらの記事で紹介しています。
次：シーズン2
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あらすじ
写真出典：IMDb
夫が不倫して家を出て行かれたミリアム・メイゼルが、スタンダップコメディアンとして奮闘する物語です。
ミリアム・メイゼル。愛称ミッジは、夫と子どもに恵まれ、何不自由ない生活を送っていました。しかしある日、夫ジョールの浮気が発覚。泥酔し、ダウンタウンにあるカフェを訪れると、成り行きから舞台に上がり、自分に起こった不幸をまくし立てました。すると観客に大ウケ。自分の新たな能力を発見し、話芸の魅力を知ったミッジは、コメディ業界へ足を踏み入れます。
第1話「パイロット」
1958年のニューヨーク。
ミリアム・メイゼル、愛称ミッジは、ユダヤ人の上流階級の家庭に生まれました。有名女子大を卒業と同時に結婚。夫ジョールは会社の重役で、2人の子どもにも恵まれました。ニューヨークの高級住宅街アッパーウェストサイドのマンションに住み、出産後も以前の体型維持に努め、夫が寝てから化粧を落とし、朝は夫よりも早く起きて夫が目覚める前に化粧。専業主婦としての勤めを果たします。
ビジネスマンとして活躍する夫のジョールは、コメディアンになるという夢を捨てることができません。夜はガスライト・カフェでスタンドアップ・コメディの舞台に立ちます。しかし人気はありません。そんなジョールの夢をミッジは支えてきましたが、ジョールがほかのコメディアンのネタを盗作していることを知って幻滅します。
ある夜、舞台がうまくいかなかったジョールは、秘書のペニーと不倫関係にあったことを告白すると、家を出ていってしまいました。
自暴自棄になったミッジは泥酔し、ガスライト・カフェの舞台に飛び入りで参加します。自虐ネタを披露すると、観客に大受けしました。調子に乗って胸をはだけ、逮捕されてしまいます。
このとき、ミッジは自分同様逮捕されていたコメディアンのレニー・ブルースと知り合いました。レニーのトークは非常に人気がありましたが、政治批判や社会矛盾を指摘する過激なものとしてひんぱんに逮捕されていました。
翌朝、ミッジはガスライト・カフェの従業員スージーに保釈してもらうと、レニーを保釈します。そして、スージーからコメディアンとしての才能を指摘されます。
第2話「丘の上の屋敷」
ミッジはコメディアンとしての道を考えはじめます。
ジョールは離婚を決め、両親に報告します。
ミッジの母ローズは、娘ミッジとジョールの関係を心配しています。
そしてミッジとジョール、双方の家族が集まってディナーが開かれました。もともと両家は性格が合いません。そこへミッジとジョールの離婚話が持ち上がり、口論となりました。ジョールの父モイシは、自分の所有するマンションからミッジ母子を追い出すと宣言します。
嫌気が差したミッジはガスライト・カフェに行き、舞台に立つと自虐ネタで観客を笑わせました。しかし過激な内容のため、再び逮捕されます。
第3話「あなたは去った」
ミッジはレニーによって釈放されますが、トークの内容がわいせつだとして裁判に召喚されます。
ミッジの両親は、ミッジがコメディのステージに立っていること、逮捕歴があることを知りません。ときどき夜に不在になるミッジの行動が不安になっています。
その後ミッジは法廷に立ちますが、裁判に不満を抱くと暴言を吐き、侮辱罪で逮捕されてしまいます。ミッジは、釈放されるための罰金を、理由を明かさずにジョールに借ります。
一方、ミッジの父エイブはモイシを訪ね、娘夫婦がよりを戻しやすいようにアパートを自分とモイシの共同名義に変更します。
ミッジはレニーに招かれて彼の舞台を見に行くと、自分も舞台に立ちます。
そのころ、スージーはコメディ業界で有名なマネージャーのハリー・ドレイクに会い、助言を求めます。
ジョールはミッジに復縁を求めますが、拒絶されました。そしてミッジのことを心配していた父エイブは、復縁を断ったことをミッジから聞かされます。
第4話「ディオンヌ家の5つ子の失望」
ミッジが住んでいたマンションの部屋は、もともとジョールの父モイシ名義のものです。部屋を追い出されたミッジは、別のフロアに住んでいる両親のもとへ引っ越します。
一方で、エイブはときどき出かけるミッジの素行に不信感を抱きます。
スージーはミッジをコメディアンに育てようと考えていました。ミッジをレコード店やコメディ・クラブに連れていき、話芸を勉強させます。
その後ミッジがジョールのアパートを訪ねると、ジョールがペニーと同棲していることがわかりました。ミッジは、生活のため仕事を探すことにします。
第5話「ドインク」
ミッジはデパートの化粧品売り場で働きながらコメデイの舞台にも立ちますが、観客に受けません。コメディ作家にネタを依頼してみますが、うまくいきません。コメディアンとしての道をあきらめます。
しかし同僚のパーティーで毒舌ネタを披露すると、大受けします。
第6話「ミセスX ガスライトにて」
スージーはミッジのために仕事をとってきます。ミッジがパーティーをはしごして話術を磨くと、コメディアンからコンビ結成の申し出を受けました。しかしスージーは気に入らず、申し出を断ります。
そのころ、大学教授を勤めるエイブは、あこがれていたベル研究所に誘われます。高揚してミッジや長男のノア夫婦をディナーに誘うと、ジョールとペニーに遭遇し、気まずくなります。
その後、エイブは自分の転職について、学長から娘ミッジの生活が不安要素だと聞かされました。エイブはミッジに逮捕歴があることを知って驚きます。
第7話「よく味わいな」
ミッジはガスライト・カフェの舞台で腕を磨き、スージーは人気コメディアンであるソフィ・レノンの前座の仕事を取ってきます。
ジョールはペニーとの同棲を解消して実家に戻ります。そして仕事では昇進し、西海岸での新事業の責任者に抜擢されました。
エイブはミッジのために離婚専門弁護士を雇おうとしていました。しかしミッジの復縁を願っていた妻ローズは強く反対します。ローズは、ミッジが復縁を断っていたことを知りません。
その後、ジョールの訪問を受けたエイブは、ジョールが昇進し、ミッジのための生活を援助しようとしていることを知ります。
ミッジはソフィ・レノンの家に招かれると、彼女の裕福な生活とプライドに満ちた姿に驚きました。ソフィが舞台で見せる小汚い容姿やおどけた仕草は、すべて演出によるものでした。
ミッジは舞台でソフィの私生活を暴露するネタを披露し、ソフィの代理人ハリーを激怒させます。
第8話「おやすみなさい」
業界に大きな影響力を持つハリー・ドレイクを怒らせたミッジは、仕事が入ってきません。
再会したミッジとジョールは、復縁を考えます。
一方で、ジョールはミッジがスタンドアップコメディをしていたことを知りませんでした。動揺し、仕事で失敗して会社を辞めてしまいます。
スージーは、レニー・ブルースに頼んでガスライト・カフェの舞台に上がってもらい、大勢の観客を集めました。レニーに紹介されて舞台に上がったミッジは、ミセス・メイゼルと名乗ると夫婦のことをネタにして大受け。ミッジの舞台を見ていたジョールは、自分たちの生活をネタにして彼女が笑いを取っていること、そしてミッジにコメディアンの才能があることに複雑な思いを抱きます。
（シーズン1 完）
次：シーズン2
感想
結婚あり親子の確執あり子育てあり女子会トークありお色気もちょっとあり。ミッジのファッションは高級そうで素敵だしニューヨークの町並みもカラフルでオシャレ。時折入るコーラスはミュージカルっぽい。そして、ミッジのトークは軽快で勢いがあり、ユーモアと知的センスが感じられて楽しい。
シーズン1はコメディアンとしての道を歩み始めたミッジが描かれます。シーズン2では彼女のステージがもっと描かれたらといいなと思います。
ちょっと疑問だったのは、シーズン終盤の事件。ミッジは有名コメディアンであるソフィの私生活を自分のステージで暴露してしまうのですが、どうしてそんなことをしたのでしょうか。勢いで話してしまったということなのだと思いますが、ちょっと非常識すぎる気がしました。
あと、子どもたちを親やベビーシッターに預けて出かけるシーンが多いので、子どもがいて大変という感じはあまりしませんでした。子どもが、子どもがいるという設定の小道具にしか思えなかったは残念です。
で、ミッジの夫ジョールは副社長をやっているのですが、親のコネだったり、自分の芸が受けないのをミッジのせいにしたり、浮気をして出ていったくせに復縁を迫ったり、なかなかのクズっぷりです。でもなぜか肩入れしてしまいます。才能がないことを認めることができないというのは、ちょっとわかるというか、誰しもがそういう部分ってあると思うんですよね。そして、今まで横にいた妻には人並み外れた笑いのセンスと話術があるというのはやっぱり悲しい。
登場人物たちがみんなよくタバコを吸っています。時代を感じさせます。
スタンダップコメディとは
スタンダップコメディとは、アメリカではよくあるお笑いのスタイルらしいのですが、コメディアンがステージに立ち、客席に向かって話しかける話芸だそうです。アメリカンジョークなのかブラックジョークなのか、下ネタや政治批判、人種差別などを扱うことも多く、かなりきわどい内容だそうです。
登場人物
ミリアム・メイゼル
演：レイチェル・ブロズナハン
ユダヤ人の専業主婦。愛称はミッジ。
「ほらどう？ 毎晩抱きに帰りたくなるでしょう！？」
スージー・マイヤソン
演：アレックス・ボースタイン
ガスライト・カフェの従業員、のちにミッジのマネージャー。ちょくちょく男性と間違われます。
ジョール・メイゼル
演：マイケル・ゼゲン | Michael Zegen
ミッジの夫。父モイシのコネで叔父の会社の副社長をしています。コメディアンになることが夢で、夜はガスライト・カフェの舞台に立ちますが、笑いのセンスがありません。
アブラハム・ワイスマン
演：トニー・シャルーブ
ミッジの父、数学教授。愛称はエイブ。大学教授って儲かるんだなと思いました。
ローズ・ワイスマン
演：マリン・ヒンクル
ミッジの母。占いが大好き。
モイシ・メイゼル
演：ケヴィン・ポラック
ジョールの父。服飾工場の経営者。1943年に13人のユダヤ人をドイツから助け出した自慢話が長い。
シャーリー・メイゼル
演：キャロライン・アーロン
ジョールの母。電話が長い。
イモジェン
演：ベイリー・ヤング
ミッジの親友。
アーチー
演：ジョエル・ジョンストン
イモジェンの夫でジョールの同僚。
ゼルダ
演：マチルダ・シダギス
ワイスマン家の住み込みメイド。がんばれ。
ペニー・パン
演：ホリー・カラン
ジョールの秘書で不倫相手。
レニー・ブルース
演：ルーク・カービー
実在したコメディアン。
レニー・ブルース（Lenny Bruce, 1925年10月13日 – 1966年8月3日）は、ユダヤ系アメリカ人のスタンダップ・コメディアンである。1950年代後半から1960年代前半にかけて、それまでタブーとされていた政治、宗教、人種差別、同性愛、中絶、セックス、麻薬、広告批判、貧困などアメリカ社会の抱える矛盾をテーマに過激なトークショーを行ない人気を博した。言動を問題視した当局に目をつけられた1961年以降、公然猥褻を理由に度々逮捕され、1964年有罪判決を受ける。弾圧により活動を制限され経済的に困窮した1966年8月3日、自宅の差し押さえ通知を受けたその日に40歳で急性モルヒネ中毒で死去した。その活動はアメリカにおける言論の自由の象徴となり、後世の人物に多大な影響を与えた。（ウィキペディア）
ノア・ワイスマン
演：ウィル・ブリル
ミッジの兄。
アストリッド
演：ジャスティン・ルーペ
ノアの妻。ユダヤ教徒になろうと努力しています。
ソフィ・レノン
演：ジェーン・リンチ
有名女性コメディアン。
次：シーズン2
マーベラス・ミセス・メイゼルを見る
「マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン1」はAmazonプライムビデオで視聴できます。以下をクリックするとAmazonプライムビデオのWebサイトが表示されます。
Amazonプライムビデオについてはこちらで紹介しています。
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