「ザ・ミッシング ~消えた少年~」の続編を見てみました。続編といっても主人公が同じ人物なだけでストーリー的なつながりはないようです。ヨーロッパを舞台に怪しげなおっさんやおばさんがちょこちょこ出てきては意味ありげな行動を繰り返す。浦沢直樹さんの漫画っぽい。さて、今回はどんな事件なのでしょう。
ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜 概要
原題 The Missing
英国BBCと米国Starzの共同制作
公開 2016年
全8話
フランスで起きた少年の失踪事件を描いた「ザ・ミッシング ~消えた少年~」の続編。ただし、事件を追う元警部が同じ人物なだけでストーリーに直接的なつながりはありません。今回は、前作でも活躍したジュリアン元警部がドイツやイラク、スイスを舞台に10年以上前に起きた少女の失踪事件に挑みます。
出演は前作に続いてジュリアン役に「ニキータ」や「ベル&セバスチャン」2部作などで活躍するチェッキー・カリョ。そのほかドラマ「ウォーキング・デッド」でガバナーを演じたデビッド・モリシー、ドラマ「MI-5 英国機密諜報部」に出演したキーリー・ホーズらが共演します。
2019年2月、英国で「Baptiste」と題されたスピンオフシリーズが放送され、チェッキー・カリョがジュリアン・バティストを演じています。
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ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜 あらすじ
2003年、ドイツにあるイギリス軍駐屯地の近くで11歳の少女アリスが行方不明になりました。それから11年、アリスが突然町に現れます。彼女は保護され、家族の元へ戻されますが、彼女の証言から一緒に監禁されていたというもう一人の少女ソフィーの存在が判明します。
かつてソフィーの事件を担当していた元警部ジュリアン・バティストは、ソフィーを救い出し、事件を解明するために捜査を開始します。
ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜 感想
第1話冒頭で少女アリスが誘拐されます。女子高生かと思ったら11歳だったようです。たばこを吸って手首にタトゥーを入れる女子小学生。ヨーロッパは恐ろしい。
さて、誘拐され、10年以上経ってから突如現れた少女アリス。物語が進むにつれ、彼女はアリスではなくもう一人の被害者ソフィーなのでないかという疑問が立ち上がってきます。だとしたら本物のアリスはどうなったのか。生きてどこかに捕らわれているのか。見つかった少女がソフィーだとしたらなぜ正体を偽るのか。
さらにアリス(と思われる少女)の証言により序盤で容疑者が逮捕されます。どうやら偽証らしい。なぜ嘘をつくのか。では容疑者とされた人物はアリスの失踪と関係はないのか。とある人物はこの少女のことを知っているようです。どういうことなのか。
何もかもが疑問だらけ。このドラマにどのような真相が待っているのか、引き込まれます。
ただ、前作もそうでしたが、過去と現在を行ったり来たりするのでややこしいです。都度年代は表示されますし、人物の髪型なんかを変えて区別が付くように配慮されているのですが、ひんぱんに切り替わるので回想シーンなのか、今起きていることなのか、見ているこっちの頭が付いていけません。もうちょっと見せ方を変えて欲しいところです。
そして、前作はフランスの小さな田舎町が舞台でしたが、今回はドイツ、イラク、スイスと舞台が広がります。英国軍が出てきて湾岸戦争やイスラム国(IS)も絡んできます。何やら大仰で雑な印象を受けました。
事件は解決します。みんなが幸せになれたかというとそういうわけでもありませんが、犯人は捕まるし、個人的に疑問だったことはすべて判明ました。見終わってすっきりしました。前作のようなモヤモヤ感や後味の悪さはありません。やっぱりね、ちゃんと解決して終わるのがいい。
前作では事件のあらましを主軸に人間の多様性が描かれていました。今作では家族とは何かを問われていたように思います。不倫や老人性痴呆が描かれ、彼らの背負う悲哀感が重いです。誘拐犯と被害者も擬似的な家族関係を築いていました。彼らにとっては本当の家族だったのかも知れません。また、代理出産や親子の信頼関係についても考えさせられます。
ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜 ネタバレ
アリスの事件
発見されたアリスは実はソフィーです。本物のアリスとともに監禁されていました。ソフィーとアリスを拉致したのは、幼い少女に性的嗜好を持つアダム・ゲトリックです。
ソフィーはアダムに監禁されていましたが、いつしか疑似恋愛のような関係になり、娘を産みました。その後虫垂炎になったため、アダムはエイドリアン・ストーンとヘンリー・リードを脅迫して協力させ、ソフィーを治療しようとします(彼らの関係については後述)。しかしヘンリーは協力的でなかったため殺害しました。
またアダムは、1991年の事件(後述)のとき、自分を捜索しようとしなかったナディアを恨んでいました。ナディアの夫クリスティアンを一連の事件の犯人に仕立て上げます。
アリスの家で焼死したのは、3人目の犠牲者レナです。アダムに脅迫されていたエイドリアンが、DNA鑑定に使う検体をアリスのものとすり替えました。
最後にアダムは逮捕され、ソフィーと娘は救出されます。本物のアリスも発見されて救出され、家族のもとに戻ります。
1991年の事件
1991年のイラクで起きた事件です。
湾岸戦争に従軍していたエイドリアン、ヘンリー、アダムの3人は、ナディアが率いる同じ部隊に所属していました。
あるときアダムがいなくなります。上官だったナディアは放っておくようにいいますが、エイドリアンとヘンリーが探すと、民家で13歳の少女と寝ていたことがわかりました。少女の家族はアダムを追い返したといいますが、深夜、二人が民家に侵入すると、アダムが監禁されていました。アダムを救出しようとした二人は、家の者に見つかって彼を銃殺します。さらに証拠を隠滅するため、家を燃やしました。このとき生き残った男児がバルザーニで、ヘンリーが送金していた相手です。
ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜 登場人物
ジュリアン・バティスト
演:チェッキー・カリョ
シーズン1でオリバー失踪事件を捜査した元警部。
アリス・ウェブスター
演:アビゲイル・ハーディンガム
行方不明になった少女。監禁されていた場所から逃げてきたといいます。
サム・ウェブスター
演:デビッド・モリシー
ドイツに駐留する英国軍人。アリスの父親
ジェマ・ウェブスター
演:キーロー・ホーズ
アリスの母親
マシュー・ウェブスター
演:ジェイク・デイビス
アリスの弟
エイドリアン・ストーン
演:ロジャー・アラム
退役軍人。元准将
イブ・ストーン
演:ローラ・フレイザー
エイドリアンの娘。英国軍曹長
アダム・ゲトリック
演:デレック・リデル
英国軍広報官
ナディア・ヘルツ
演:リア・ウィリアムス
退役軍人
クリスティアン・ヘルツ
演:フィリップ・ピーターズ
ナディアの夫
ヘンリー・リード
演:ブライアン・ボベル
英国軍人
ダニエル・リード
演:ダニエル・エズラ
英国軍人。ヘンリー・リードの息子
前作「ザ・ミッシング 〜消えた少年〜」について
前作「ザ・ミッシング 〜消えた少年〜」についてはこちらを参照してください。
その他おすすめドラマ
「ザ・ミッシング」に興味を覚えた方にはこちらのドラマもおすすめです。
ザ・ウィドウ
英国人女性ジョージアは、アフリカで起きた航空機事故で夫ウィルを亡くしていた。それから3年。傷心が癒えない生活を送ってた彼女は、コンゴで起きた暴動を報じるテレビのニュース映像に夫に似た男性の姿を見かける。
「ザ・ミッシング 〜囚われた少女〜」に登場したジャーナリストのステファンを演じていたオラフル・ダッリ・オラフソンさんは「ザ・ウィドウ」にも出演しています。
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