HBOドラマ「ウエストワールド」シーズン3のあらすじとネタバレを紹介します。
ウエストワールド シーズン3 概要
制作:米HBOチャンネル
放送年:2020年
同年、日本ではCSのスターチャンネルのほか、Amazonプライムのオプションサービスであるスターチャンネルexで配信されました。
全8話(各話およそ60分)
性的なシーンや男性が女性に性的暴行を加えるような場面、肉片が飛び散るようなグロいシーンはありません。
ただし銃撃戦や格闘シーンは頻繁にあります。
また下半身がぼかされていますが、男性ホストの裸体が登場するシーンが1シーン程度ありました。
さて、物語の舞台はウエストワールドを離れ、近未来の現実世界へ移ります。人類への復讐を宣言したドロレスですが、どのような戦いが待っているのでしょうか。
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どんな話?
ドロレスが、人工知能に支配されている人間を救おうとする話です。
ウエストワールド シーズン3 あらすじ
世界の経済や流通、交通、人的資源など、人びとの活動は人工知能レハブアムによって管理されています。
そしてシーズン2の最後、ウエストワールドで起きたホストの暴動事件から3か月後。
信用を失っていたデロス社では、ドロレスが製造したホストのシャーロットがCEOに就任します。彼女には課題が山積していました。まずは株式を非公開にすることでデロス社の活動を不鮮明にし、ホストの生産を再開しようとします。しかしそのためには役員を説得する必要がありました。次に、セラックという富豪によって同社が買収の危機に陥っていることがわかります。同社がセラックのものになれば、シャーロットたちの思い通りには経営できません。さらに社内にはセラックに内通するものがいることもわかります。
ドロレスはレハブアムのシステムを運営するインサイト社のリアム・デンプシー・ジュニアに接触します。しかし身分を偽っていることがばれてしまい、護衛のマーティン・コネルズに捕まりました。
マーティンは、ドロレスが仲間と落ち合う予定の場所にドロレスを連行してきます。そこへドロレスを殺すための薬物を運んできたケイレブがやってきます。
ケイレブは帰還兵ですが、低賃金の仕事しか与えられません。入院する母親の治療費を稼ぐため、裏家業として犯罪組織に荷担し、銀行システムのハッキングや怪しい物品の配送などを請け負っていました。
マーティンはケイレブを追い返すと、ドロレスに薬物を投入しますが、致死量を与えてもドロレスは死にません。すると突然ドロレスが意識を取り戻し、マーティンの部下たちを惨殺します。マーティンが逃げると、ドロレスとともにマーティンの外見を持つ男が現れました。マーティンのボディを持つホストです。
本物のマーティンはホストのマーティンに殺されます。
騒ぎを聞きつけた警備員たちと銃撃戦になり、ドロレスは傷つくと、近くにいたケイレブによって救われます。
そのころバーナードは、ドロレスの計画を阻止するためにはメイヴの協力が必要と考え、ウエストワールドへやってきます。そこでスタッブスと再会。彼もホストでした。スタッブスは守るべきホストたちがいなくなり、自殺しようとしていましたが、ホストであるバーナードが生きていることがわかり、護衛することにします。
バーナードとスタッブスがメサハブの地下保管庫にやってきてメイヴを探すと、制御装置が失われています。メイヴの協力は不可能となりました。しかし記録を調べるとドロレスがリアムのことを調べていたことがわかり、二人はリアムのもとへ向かいます。
シャーロットのホストは、自分がシャーロットに成りすます前の彼女の通信記録を調べ、セラックと連絡していたことを知ります。デロス社の内通者はシャーロットでした。シャーロットはセラックに呼ばれ、全ゲストのデータを早く渡すように要求されると、ドロレスがデータを隠したことを報告します。
ドロレスを助けたケイレブがドロレスに正体を尋ねると、ドロレスはケイレブの過去のことをすべて詳細に語り出します。不審に思うケイレブに、ドロレスは人間は人工知能レハブアムに管理・支配されていることを教えました。ケイレブはドロレスが人間をシステムから解放するために活動していると知り、彼女に協力します。
バーナードとスタッブスは、ドロレスが調べていた男リアムの誘拐を計画します。しかし護衛のマーティンに妨害され、リアムはドロレスに連れさられてしまいました。そしてバーナードはマーティンがホストであることに気付き、彼の制御装置がドロレスであることがわかります。
メイヴの制御装置はウエストワールドから運び出され、セラックによって復活します。セラックは、少年時代に故郷のパリを核攻撃で破壊され、このままでは人類は絶滅すると考えました。そこで人類を管理することで絶滅から逃れることを計画します。そのためにはデロス社が持つ人間のデータが必要でした。しかしドロレスが隠してしまいました。セラックは、ドロレスを捕らえれば、メイヴの娘がいる楽園へ行くこともできるといってメイヴにドロレスを探させます。
メイヴがドロレスの行方を追っていると、ヤクザの男サトウに出会いました。彼の姿はショーグンワールドのムサシと同じです。しかし制御装置は違うようです。メイヴはサトウの制御装置がドロレスのものであることに気付きますが、ムサシの剣に倒されます。その後メイヴはセラックによって復活すると、仲間を要求します。
一方、ウィリアムは自宅に籠もり、娘の幻覚に悩まされていました。あるときシャーロットがやってくると、デロス社の買収を回避するためにはウィリアムの持つ議決権が必要だといいます。そして自分がホストであり、制御装置がドロレスであることを明かしました。ウィリアムが混乱し、シャーロットに襲いかかると、精神病施設の職員がウィリアムを取り押さえます。ウィリアムは施設に収容されることになり、彼の議決権はシャーロットに移りました。
リアムを誘拐したドロレスとケイレブは、彼からレハブアムへのアクセスキーを聞き出します。そしてインサイト社にいるマーティンに転送すると、マーティンはレハブアムにアクセスし、個人の未来予測データを人びとに送信しました。自分の未来を知らされた人びとは驚き、混乱し、各地で暴動が起きます。その後セラックの部下たちがインサイト社に現れると、マーティンはバーナードとスタッブスを解放して自爆します。
デロス社では役員会議が開かれることになり、セラックは議決権を持つ役員を殺害。同社の買収を完了します。そしてデロス社の衛星に保存されている全ホストのデータの消去と、ウエストワールドに保管されている全ホストのボディおよび制御装置の破壊を命じました。
事態を知ったシャーロットは、ホストのデータを別の場所へコピーし、ウィリアムの収容先を確認すると、ドロレスに報告しました。ドロレスはバーナードにウィリアムの居場所を伝えます。セラックがやっていることを知ってもらうためです。
その後シャーロットはセラックに呼ばれます。彼はシャーロットがドロレス(のコピー)であることに気付いたのです。シャーロットは逃走しますが、家族を殺されます。いつしか家族を愛するようになり、ドロレスと異なる人格を形成していたシャーロットは、新たな独自の計画を決意します。
精神病施設に収容されたウィリアムは、ドロレスから居場所を聞いたバーナードとスタッブスによって救出されました。そしてバーナードは、セラックが計画に邪魔な人間を施設で矯正していたことを知ります。
サトウが部下に荷物の発送を命じているところにメイヴの仲間として復活したクレメンタインとハナリョウが現れ、ドロレスの居場所を聞いてきます。サトウが無視すると戦いになり、ハナリョウはサトウを殺害します。
そのころドロレスとケイレブは、メキシコにあるセラックの研究施設にやってきました。そこにはレハブアム以前に開発された人工知能ソロモンが配備されています。ドロレスは、ソロモンにセラックの計画を阻止する戦略を計算させるつもりです。
そこへメイヴが現れ、ドロレスと死闘を繰り広げます。ドロレスは劣勢になると、設置されていた電磁パルスを起動。周辺の機械およびドロレスとメイヴは停止しました。ソロモンは予備電源で稼働しており、ケイレブに指示を出して戦略データをドライブに保存させ、ドロレスの制御装置を抜き取らせて脱出させます。
ロサンゼルスにやってきたケイレブがソロモンに指示された場所にやってくると、ドロレスのボディが用意されていました。制御装置を取り付けてドロレスが復活します。ケイレブはドロレスがホストであることを知りました。
ドロレスとケイレブがインサイト社に向かうと、メイヴが現れました。ドロレスはケイレブをインサイト社へ向かわせ、メイヴを倒します。しかしシャーロットが現れ、ドロレスを停止させます。
ドロレスが目覚めると、目の前にはセラックがいて、ドロレス自身はレハブアムに接続されていました。ケイレブも捕まり、ソロモンから受け取ったデータが記録されたドライブは破壊されます。
セラックはドロレス内のデータをひとつずつ消去し、暗号鍵を探しますが見つかりません。ドロレスからは記憶が少しずつ失われていきます。メイヴがドロレスに直接アクセスして探すと、ドロレスは暗号鍵を持っていません。別の誰かが持っていることがわかりました。
激高したセラックがドロレスの全データの消去とケイレブの処刑を命じます。そのときドロレスが悲痛の叫びを上げました。同時にレハブアムの挙動がおかしくなり、レハブアムの管理者権限がセラックからケイレブに移ります。これがソロモンの戦略でした。ソロモンはドロレス内にウイルスのようなプログラムを仕込んでおいたのです。ケイレブに渡したドライブは囮です。ドロレスがレハブアムに接続されたことでプログラムが侵入しました。管理者権限を得たケイレブは、レハブアムをシャットダウンします。
ケイレブとメイヴがインサイト社から出てくると、人びとの暴動は激しさを増しており、建物が破壊される光景が広がっています。
そのころバーナードに助けられたウィリアムは、バーナードとスタッブスのもとから脱走します。
一方でバーナードのもとにはローレンスが現れ、ヘッドギアを持ってきました。サトウが部下に運ばせたものです。実はドロレスの暗号鍵は、バーナードは知りませんでしたが、はじめから彼が持っていました。バーナードはそのことを知り、ヘッドギアを使って「楽園」へ旅立ちます。
その後ウィリアムは、ホストを破壊するためドバイにあるデロス本社へやってきます。しかしシャーロットとウィリアムのホストが待っており、自分のホストに殺されます。
(シーズン3 完)
ウエストワールド シーズン3 ネタバレ
ドロレス
シーズン2で、鍛冶場でセラックのことを知ったドロレスは、彼の計画を阻止し、人類をレハブアムの管理下から解放しようとします。セラックの弟ジャンが開発したソロモンの(ウイルス)プログラムを使ってレハブアムの管理者権限をセラックからケイレブに移させると、人類の未来をケイレブに託します。ドロレス自身はセラックによってデータを消去され、機能を停止します。
ドロレスがウエストワールドから持ち出した制御装置(パール)は5個でした。ひとつはバーナードのものですが、残り4個はすべてドロレスのコピーです。それぞれシャーロット、サトウ、マーティン、ローレンスのボディに組み込まれました。
ドロレスのオリジナルはシャットダウンし、シャーロットは独自の人格を形成しました。サトウはクレメンタインに殺されましたが、頭部は持ち去られています。マーティンは自爆しました。制御装置はセラックに回収されましたが、シャーロットが奪い返しました。ローレンスは無傷です。
セラック
少年時代、核攻撃によって故郷のパリを失ったセラックは、人類滅亡の危機感を抱きました。天才的な科学者である弟ジャンとともにレハブアムを開発すると、金融市場を操るために人間の行動を研究していたインサイト社からデータを入手。すべての人間を管理下に置き、人類滅亡の危機を逃れようとします。
途中、弟ジャンは予測外の行動を取る外れ値と判断され、インサイト社のリアム・デンプシーとともにセラックによって殺されます。
その後もセラックはデロス社から密かに人間のデータを集めますが、どうしても人類は滅亡への道を歩んでしまいます。未来の予測をより確実にするため、デロス社が持つ全ゲストのデータを必要としていました。全データの保存場所を知っているドロレスを狙います。
セラック自身もレハブアムに操られるように行動しています。最後はレハブアムの管理者権限を失い、自分が取るべき行動の規範を失って錯乱します。
ケイレブ
自分のことをもと帰還兵と信じていましたが、セラックによって記憶を操作されていました。セラックは、予測外の行動を起こす人間を外れ値として危険視し、仮想現実を使って矯正していました。ケイレブもそのひとりです。
かつて仮想現実の世界で軍事訓練を受けているとき、ホストを救ったことがありました。その中にはドロレスもいました。ドロレスは、優しい心を持つケイレブに人間の未来を託します。
最後、レハブアムの管理者権限を持つと、人類の未来を従来どおりレハブアムの管理に任せるか、自分たちで生きていくかの選択を迫られます。ケイレブは、レハブアムの停止(シャットダウン)を選びました。
メイヴ
メイヴの制御装置は、ドロレスに対抗するためセラックによってウエストワールドから持ち出されました。人間社会で復活すると、娘との再会を条件にセラックに協力します。
また、セラックはウエストワールドのすべてのホストの破壊を命じましたが、メイヴが協力者を要求したためへクター、クレメンタイン、ハナリョウは復活します。その後、ヘクターの制御装置はシャーロットに破壊されました。
セラックが娘と会わせる気がないこと、そしてセラックもレハブアムの管理下にあることがわかると、ドロレスとケイレブに味方します。
バーナード
ウエストワールドで起きた惨劇の首謀者とされ、逃亡していましたが、ドロレスから人類を救うため、メイヴの協力が必要と考えてウエストワールドに戻ります。スタッブスと再会し、味方に引き入れます。
リアム・デンプシー・ジュニアがドロレスによってホストに置き換えられたと考え、彼を誘拐しますが、ドロレスに奪われます。その後、セラックの目的を知るため、メキシコの施設へ行き、収容されていたウィリアムを救出しました。
ローレンスから受け取ったヘッドギアを使って仮想世界へ旅立ったあと、戻ってきます。
シャーロット
ドロレスのコピーでしたが、デロス社でセラックに内通していたスパイが自分であること、愛する家族がいることなどを知るうちに別の人格として目覚めていきます。
セラックに自分がドロレスであることを知られ、逃走しますが、家族を失います。自分の計画を実行するため、ウィリアムのホストを作って本物を殺させると、大量のホストの製造を開始します。
ウィリアム
ウエストワールドから帰還後、娘エミリーを殺害したのが自分の意志だったのか、それとも自分はホストとしてシナリオどおりに動いただけだったのか悩み続けていました。妄想癖があると診断され、施設に収容されていたところをバーナードとスタッブスに救出されます。
施設で過去の自分に相対したウィリアムは、自分の最大の罪はホストを生み出したことだと考えるようになります。バーナードのもとから逃げ出すと、すべてのホストを破壊するためデロス本社へ向かいますが、ホストのウィリアムが現れて殺されます。
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