「ゲーム・オブ・スローンズ」では、ジェイミー・ラニスターが王殺し(キングスレイヤー)と呼ばれていたり、デナーリスの父は狂王だった、トライデント河にはレイガーの甲冑に付いていたルビーが今も沈んでいるなど、過去のできごとを思わせる台詞や行動がしばしば登場します。いったい過去にどんなできごとがあったのか。知っているとドラマをより楽しめる、ウェスタロスの歴史についてまとめました。
目次
ウェスタロスの歴史
1万2000年前
物語の舞台となる大陸ウェスタロスには森の子ら(The Children of the Forest)と呼ばれる小さな種族が住んでいました。彼らは自然の神を信仰し、ウィアウッドと呼ばれる赤と白の木を守ってきました。そこへ東の大陸エッソスから最初の人々(First Men)と呼ばれる人間たちが上陸し、森の子らとの間で争いが起きます。彼らは長い争いの結果、和平を結びます。同じ神を信仰するようになり、森の子らは森林に住み、最初の人々は平野に住むことになりました。
8000年前
北の果て「常冬の地」から異形(ホワイトウォーカー)と呼ばれる種族が現れ、ウェスタロスを襲います。森の子らと最初の人々は協力し、「夜明けの戦い」によってホワイトウォーカーを撃退します。最初の人々のブランドン・スターク(建設王)が、森の子らの魔法と巨人の力を借りて巨大な氷の壁を築きました。壁はナイツウォッチ(冥夜の守人)と呼ばれる兵士によって守られます。ブランドンはウィンターフェルを築いて北の王を名乗るようになります。そして月日が流れ、いつしか森の子らは森林から姿を消し、ホワイトウォーカーのことも忘れられていきました。
2000年前
東の大陸エッソスからアンダル人がウェスタロスに上陸します。アンダル人は鉄の武器を使い、馬に乗り、七神正教をもたらしました。彼らは最初の人々を北へ追い払い、6つの王国を築きました。北の王国(the North)、島と川の王国(the Isles and the Rivers)、山と谷の王国(the Mountain and Vale)、岩の王国(the Rock)、嵐の王国(the Stormlands)、リーチ王国(河間平原/the Reach)です。
1000年前
東の大陸エッソスにはヴァリリア帝国が栄え、その勢力拡大から押し出されてロイン人が上陸しました。ロイン人はウェスタロスの南端に7つ目の王国ドーンを築きます。
500年前
ヴァリリア帝国はドラゴンを従えた強力な軍事力でウェスタロスの東の地域まで勢力を拡大していました。ターガリエン家がウェスタロスの東端ドラゴンストーンを本拠地として活動をはじめます。
400年前
「破滅」と呼ばれる災厄が起こり、ヴァリリア帝国が崩壊します。ドラゴンストーンを支配していたヴァリリア家系のターガリエン家だけが生き残りました。
300年前
ターガリエン家のエイゴン征服王が、二人の姉妹妻と三頭のドラゴンを従えてウェスタロスへ侵攻します。七王国のうち6つを滅ぼし、残ったドーンも服従したため統一王国を築きます。このときに征服した王国の剣を溶かしてつくったのが鉄の玉座です。以降、ターガリエン家による支配が続きますが、度重なる権力争いと内乱によってドラゴンは絶滅します。
16年前 ロバートの反乱
ロバート・バラシオンと婚約していたリアナ・スタークが狂王エイリスの息子レイガー・ターガリエンと失踪します。スターク家とバラシオン家は、リアナが誘拐されたとして抗議。しかし狂王エイリスはスターク家の当主リカード・スタークと息子のブランドンを王都キングズランディングに呼びつけ、審問にかけると処刑します。以降、スターク家の人々は南からの招集に応じることに強い疑念を抱くようになります。
狂王エイリスはさらに、里子としてアリン家に預けられていたエダード・スタークとロバート・バラシオンも殺すよう命令を下しました。アリン家の当主ジョン・アリンが命令を拒否したため、アリン家、スターク家、バラシオン家による反乱へと発展します。タリー家のキャトリンはブランドン・スタークと婚約していたため、タリー家も加勢します。
ロバート蜂起の報を受けた国王軍が鎮圧に向かいますが、ロバートが迎撃。反乱軍が勝利をおさめます。ロバート軍はそのまま北上しキングズランディングを目指しますが、タイレル家に仕えるランディル・ターリー(サムウェルの父親)に阻まれます。ロバートは北へ逃亡し、スターク家、アリン家と合流します。
ロバートが進軍していたころ、弟スタニスはバラシオン家の本拠地ストームズエンドを守っていました。しかし王国軍に包囲され兵糧攻めに苦しみます。このとき、密輸商人ダヴォスがタマネギの酢漬けなどを持ち込んだため、スタニス軍はエダード・スタークの援軍が到着するまで生き延びることができました。のちダヴォスはスタニスに仕えることになり、騎士に叙任されてタマネギの騎士と呼ばれるようになります。
王国軍は戦局を決定づけるため、王太子レイガー・ターガリエンを向かわせます。反乱軍と王国軍はトライデント河で激突。のちにトライデント河の戦いとよばれる決戦になります。数では王国軍が勝っていましたが、ロバートとレイガーの一騎打ちによりロバートが勝利。レイガーを失った王国軍は総崩れとなり大敗します。
このとき、勝敗が決してから参戦したフレイ家のウォルダー・フレイは遅参公と呼ばれるようになります。
バリスタン・セルミーは捕虜になり処刑されそうになりますが、武功を惜しまれてロバートの王の盾の総帥に任命されます。
トライデント河の底には、レイガーの甲冑から落ちたルビーが落ちていると伝えられています。
反乱の当初、ラニスター家は本拠地キャニスターロックから動かず、中立を守っていました。かつて当主タイウィン・ラニスターは王の手を務めていましたが、息子のジェイミー・ラニスターが狂王エイリスの命令によって王の盾に就かされるというできごとがありました。王の盾は生涯独身を誓う王の警護団なので、王の命令によって世継ぎを失ったと考えたタイウィンは、王に不信感を抱き、王の手を辞任してキャスタリーロックに戻っていたのです。
ロバートの同盟軍がトライデント河の戦いで勝利をおさめると、ラニスター家も反乱に参加して王都キングズランディングに侵攻します。敗色濃厚になった狂王エイリスは、王の盾だったジェイミーに王都キングズランディングを民衆ともども燃やすように命令します。ジェイミーは暴走した狂王から民衆を守るために狂王を刺し殺しますが、王殺し(キングスレイヤー)の裏切り者と呼ばれることになります。
また、ラニスター家の旗手グレガー・クレゲインは、王都でレイガー・ターガリエンの妻エリアと子どもたちを発見し惨殺します。エリアはマーテル家の出身だったため、マーテル家はラニスター家に深い恨みを抱くようになります。
一方、エダード・スタークは、誘拐されたリアナがドーンの喜びの塔にかくまわれていることを知り救出に向かいますが、すでにリアナは瀕死の状態で、そのまま死んでしまいます。
ロバートはターガリエン家の残党を殲滅するため、ターガリエン家の本拠地ドラゴンストーンへ弟のスタニスを向かわせます。ターガリエン家は壊滅しますが、狂王の次男ヴィセーリスと産まれたばかりの長女デナーリスは、忠実な家臣によりエッソスの自由都市へ逃亡することに成功します。なお狂王の王妃レイラは、デナーリスを産んだ際に死亡しています。
ロバートの反乱が終息すると、ロバート・バラシオンが新しい統一王になり、エダード・スタークは北部の総督、ジョン・アリンは王の手になります。そしてラニスター家の支持を得るため、ロバートはタイウィンの娘サーセイと結婚します。ロバートの弟スタニスは、ドラゴンストーンを奪った功でその地を与えられますが、バラシオン家の本拠地であり裕福なストームズエンドは末弟レンリーに与えられたため、兄弟関係が揺らぐ原因となります。
9年前 グレイジョイ家の反乱
鉄諸島を治めるグレイジョイ家の当主ベイロン・グレイジョイが塩の王を名乗り、ロバート王に反旗をひるがえします。しかし鎮圧され、ベイロンは二人の息子を失い、末の息子のシオン・グレイジョイがエダードの治めるウィンターフェルに人質として送られます。
そしてロバート王の王の手だったジョン・アリンが、謎の死を遂げたところから物語は始まります。
関連情報
以下ではウェスタロスの地名に関してまとめています。
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