ゲーム・オブ・スローンズ あらすじ 解説 シーズン1 第1話





写真出典:HBO

海外ドラマを代表する作品のひとつ「ゲーム・オブ・スローンズ」 おもしろいという評判を聞いてご覧になってみた方も多いと思います。でも、第1話を見てみたけど何がなんだかわからなかったという人も多いかもしれません。

「次から次に新しい人が出てきて誰が誰だかわからない」
「地名が出てきても近いのか遠いのかさっぱりわからない」
「彼らが何の話をしているのかもわからない」
これでは、つまらない、と思っても不思議ではありません。

見ているうちにいろいろわかってくるのですが、そうなるまでにはシーズン3ぐらいまで見る必要があると思います。それはそれで面倒かもしれません。原作の小説版では細かい説明などもあるのですが、ドラマでは説明がないままいろいろなことがいきなりはじまります。登場人物たちの会話からわかることも多いのですが、会話なので聞き逃してしまうでしょう。まずは第1話を振り返って、どんな話なのかを解説したいと思います。見てみたけど何が何だかわからなかった、という方の理解を深めることができればいいなと思います。

壁の向こう

雪の積もった大地。馬にまたがった3人の男たちが巨大な「壁」に開けられたトンネルを抜けて出てくるところからはじまります。

舞台はウェスタロスと呼ばれる架空の大陸です。南北の長さはおよそ3000マイル(およそ4800km)あるそうです。ウェスタロス大陸の季節変動は不規則で、数年単位で夏と冬が入れ替わります。男たちが抜けてきた巨大な壁は大陸の北端にあります。

何千年も前、北から現れたホワイトウォーカーと呼ばれる種族によって大地は荒らされました。このとき人間や巨人、森の子と呼ばれる種族たちは協力し、ホワイトウォーカーを撃退します。そして、次の侵略に備えて巨大な壁が作りました。壁を監視し、脅威と戦うために作られた組織がナイツウォッチ(「冥夜の守人」とも呼ばれます)です。ただ、ホワイトウォーカーは何千年もの間、姿を確認されていません。壁の北には野人と呼ばれる野蛮な部族が住んでいるだけです。

壁のトンネルを抜けて現れたのはナイツウォッチの戦士たちです。ナイツウォッチの拠点は「黒の城」です。かつては壁沿いにいくつかの拠点がありましたが、今はほとんどが廃墟となっています。そして、ナイツウォッチたちは壁の北に生息する野人たちを調査にし来たのです。

彼らが周囲を調べると、野人たちの遺体が発見されます。そして何かに襲われます。

ここでオープニングが始まります。


オープニングの映像はゲーム・オブ・スローンズの世界の縮図になっています。位置関係がなんとなく見えるので楽しいです。

ウィンターフェル

ウェスタロス大陸は王によって統治されていますが、王国名はとくにありません。いくつかの地域に分かれており、各地域を名家と呼ばれる有力な貴族たちが治めています。大陸のおよそ北半分を占める領域は「北部」と呼ばれます。気候が厳しく、作物もよく育たないため、ほかの地域に比べると人口は少ないとされています。北部の領主はスターク家です。スターク家の居城がウィンターフェルです。

ウィンターフェル城ではスターク家の息子たちが武芸に励み、その様子を領主夫妻が高いところから眺めています。城の中では領主の娘たちが裁縫を習っているようです。


エダード・スターク
ウィンターフェル城主であり北部総督。6人の子どもがいますが1人は落とし子(私生児)です。親しい人間からはネッドと愛称で呼ばれます。


キャトリン・スターク
エダードの妻。


ロブ・スターク
エダードの第1子。長男。このとき15歳


サンサ・スターク
エダードの第2子。長女。このあと13歳と言っています


アリア・スターク
エダードの第3子。次女。


ブラン・スターク
エダードの第4子。次男。


リコン・スターク
エダードの第5子。三男。


ジョン・スノウ
エダードの落とし子(私生児)。ロブと同い年です。エダード・スタークの子どもですが、落とし子は親の姓を名乗ることができません。北部では、落とし子にスノウ姓が付けられます。そのため彼はジョン・スタークではなくジョン・スノウを名乗っています。キャトリンの子ではないため、彼女からはあまりよく思われていません。

エダードとキャトリンが子どもたちの様子を見ているところへ男がやってきます。やってきた男はロドリック・カッセル、エダードの側にいる若者はシオン・グレイジョイです。


ロドリック・カッセル
スターク家に仕える武人。軍事指南役。


シオン・グレイジョイ
グレイジョイ家の人間。およそ8年前、彼の父親ベイロン・グレイジョイが反乱を起こしました。反乱はすぐに鎮圧されましたが、幼かったシオンは人質としてスターク家に預けられます。人質でしたが本当の子どものように育てられたため、スターク家の子どもたちとは兄弟のような関係です。

シオンの出身家であるグレイジョイ家は鉄(くろがね)諸島を治める名家です。本拠地は鉄諸島のパイク。領主はベイロン・グレイジョイ。シーズン2で登場します。

ロドリックは、ナイツウォッチの脱走兵が捕まったことを報告しに来ました。ナイツウォッチの脱走兵は処刑される決まりです。その場へ幼いブランも連れていくというエダードをキャトリンがいさめると、エダードは「いつかは大人になる。冬、来たるだ」と応えます。

ウェスタロス大陸を治める貴族たちの家には家訓というか標語があります。スターク家の標語が「冬、来たる」です。

ナイツウォッチの脱走兵

冒頭で登場したナイツウォッチの戦士は生きていたようです。しかし逃亡しようとしたため捕まりました。彼は脱走の罪を認め、処刑されます。このとき、ホワイトウォーカーを見たので壁の仲間に伝えるように遺言しました。ホワイトウォーカーはいるのかと聞くブランに対し、エダードが何千年も前に姿を消していると応えています。

なお、脱走兵を処刑するとき、エダードは次のように宣言しています。
「汝をバラシオン家のロバート1世の名において、アンダル人および最初の人々の王、七王国の君主と守護者の名において、余、スターク家のエダード、ウィンターフェル城主、北方の監視者が死刑に処する」

バラシオン家は現在の王家で、ロバート1世は現在の国王です。のちに登場します。
アンダル人および最初の人々は、かつてウェスタロス大陸にいたとされる人々です。彼らはいなくなったわけではなく、今のウェスタロスの人々の先祖のようなものです。

処刑の帰り道、大鹿と戦って相討ちになったダイアウルフを発見します。ダイアウルフは、壁の向こうにいるという、賢く巨大な狼です。スターク家の紋章になっています。今後、物語が進むと戦場のシーンが登場しますが、ダイアウルフの紋章が付いた旗があるとスターク家の軍勢であることがわかります。

スターク家の紋章はダイアウルフ、標語は「冬、来たる」です。

死んでいるダイアウルフのそばに5匹の子どもがいました。生かしておくと危険と判断され、処分することにします。しかしダイアウルフはスターク家の紋章です。そしてスターク家の子どもは5人、ダイアウルフの子どもも5匹。殺してしまうのは縁起が悪いということになり、子どもたちに分け与えて育てることになりました。
ダイアウルフの子どもが5匹しかいないので、ジョンの分がないことをブランが言い出すと、ジョンは「俺はスタークじゃない」と応えます。彼が正式なスターク家の人間ではないことを示唆する会話です。ただし隠れていた1匹が見つかり、ジョンもダイアウルフの子を手に入れます。

王都キングズ・ランディング

場面はキングズ・ランディングに移ります。キングズ・ランディングは王宮がある場所、王都です。

王宮の玉座の間に男性の遺体が寝かされており、奥に「鉄の玉座」がちょっとだけ見えます。

およそ300年前、ウェスタロス大陸の隣にあるエッソス大陸からターガリエン家の人間がドラゴンを従えて侵攻してきました。そのときウェスタロス大陸にあった七つの王国は滅ぼされ、統一王国が築かれます。七つの王国の剣を溶かして作られたのが「鉄の玉座」です。なお、ドラゴンはその後の内乱などにより滅んだとされています。

ゲーム・オブ・スローンズのスローンズ(thrones)とは「玉座」の意味です。「鉄の玉座」は物語を象徴するオブジェクトといえます。

安置されている遺体はジョン・アリンという男性で、「王の手」と呼ばれる役職に就いていました。「王の手」は、国王を補佐する内務大臣のようなものです。


ジョン・アリン
「王の手」として王国に仕えていたアリン家の当主

遺体を眺める男女がいます。男性はジェイミー・ラニスター、女性はサーセイ・バラシオンです。


ジェイミー・ラニスター
サーセイの双子の兄。「王の盾(キングズガード)」と呼ばれる近衛騎士の一人。


サーセイ・バラシオン
王妃。ジェイミーの双子の妹。王妃となっているためバラシオン姓ですが、ラニスター家の出身です。

ラニスター家は西部を治める名家です。本拠地はキャスタリーロック。領主はタイウィン・ラニスター。シーズン2で登場します。

サーセイは、ジョン・アリンの遺体を見ながら、彼が秘密を誰かに話した可能性を恐れています。それをジェイミーが心配しすぎだとたしなめます。この時点ではサーセイが何を心配しているのかわかりませんが、ジョン・アリンの死には秘密がありそうです。

神々の森

1羽の鴉がウィンターフェルに飛んできます。「使い鴉」と呼ばれ、この世界の伝達手段です。どこからか手紙か何かを運んできたのでしょう。

神々の森は、ウィンターフェルにある森です。中心にはウィアウッドと呼ばれる白い幹、赤い葉を持つ木が生えており、古の神々のご神体として祭られています。

ウィアウッドの根元で考えにふけるエダードの元にキャトリンがやってきます。キングズ・ランディングからジョン・アリンの死を知らせる連絡があったことを知らせに来たのです。先ほどの使い鴉によって手紙が運ばれてきたようです。

エダードは幼い頃、アリン家に里子に出されていました。そのためアリン家の当主であるジョン・アリンは実の父親のように親しい関係です。また、キャトリンの妹はジョンに嫁いでいます。

キングズ・ランディングからの知らせでは、キャトリンの妹ライサとその息子はジョン・アリンの実家に帰ったこと。また、国王が北部へ向かっていることがわかります。

そして、王の一行がウィンターフェルへやってきます。

王はバラシオン家の出身で、紋章は黄色地に王冠をかぶった黒い牡鹿、標語は「氏神は復讐の女神」です。

王妃の実家(王家の外戚)であるラニスター家の紋章は金色の獅子、標語は「訊け、わが咆哮を」ですが、非公式の標語「ラニスターは常に借りを返す」の方が有名です。

国王ロバート1世はエダードの前にやってくると、ふたりは抱き合い、再会を喜びます。彼らは旧知の仲なのです。若い頃は二人とも精悍な戦士だったようですが、年を重ね、中年太りの男性となった姿を笑い合います。


ロバート・バラシオン
国王。幼い頃アリン家に里子に出されていたため、エダード・スタークと一緒に育てられました。二人は兄弟のような信頼関係にあります。


ジョフリー・バラシオン
バラシオン家の王子。

スターク家の人たちが王の来訪を迎えますが、騎士ジェイミー、王妃サーセイの弟ティリオンが見つかりません。彼は娼婦館で享楽にふけっていました。


ティリオン・ラニスター
ジェイミーとサーセイの弟。障害のために小さな体をしており、周囲から小鬼(インプ)と呼ばれています。

旧知の仲を確かめたロバート王とエダード。エダードは王に命じられ、地下にあるスターク家の墓所を案内します。二人は女性の像(墓)の前にやってきます。エダード・スタークの妹リアナ・スタークの墓所です。ロバート王はかつてエダードの妹リアナ・スタークと結婚する予定でした。

かつてウェスタロスを統治していたのはターガリエン家でした。しかし16年前、ロバート・バラシオンと婚約していたリアナ・スタークが当時の国王エイリスの息子レイガー・ターガリエンと失踪するという事件が起きます。スターク家は王に抗議しますが、当時のスターク家の領主リカード・スターク(エダードの父)と長子ブランドン・スターク(エダードの兄)は処刑されます。この事件が大きな内乱に発展し、ターガリエン家の王国はロバート・バラシオン率いる反乱軍によって滅ぼされます。

その後、ターガリエン家を滅ぼしたロバート・バラシオンは新たな王となり、エダードは北部を引き継ぎました。王の手になったのはロバート王とエダードの里親であるジョン・アリンです。

そして今、ジョン・アリンが謎の死を遂げました。ロバート王は新たな王の手として、エダードを任命します。そしてバラシオン家のジョフリー王子とスターク家の姫を婚姻させることで両家の関係をより強固なものにし、王国を安泰させようとしています。

ロバート王はターガリエン家の血筋が生き残っていることが不安だったのです。

自由都市ペントスにて

ウェスタロス大陸の東にはエッソスというもうひとつの大陸があります。エッソスには統一された王国のようなものはありません。いくつかの自由都市と呼ばれる都市国家があります。ペントスもそのひとつです。

およそ16年前に起きた反乱により、ターガリエン家によるウェスタロス大陸の統治は終焉を迎えました。国王や王妃、世継ぎの王子は亡くなりましたが、幼かった弟王子と生まれたばかりの姫の兄妹がエッソスへと逃れていました。


ヴィセーリス・ターガリエン
ターガリエン家の生き残り。騎馬民族ドスラク人を味方に付け、ウェスタロスの王権を奪還しようとしています。


デナーリス・ターガリエン
ヴィセーリスの妹。兄の策略によりドスラク人の首長カール・ドロゴに嫁がされます。


カール・ドロゴ
騎馬民族ドスラク人の首長にして屈強な戦士

不穏な知らせ

国王一行を迎えたウィンターフェルでは酒宴が催されています。

ナイツウォッチのひとりが酒宴に駆けつけます。彼はエダードの弟ベンジェンです。


ベンジェン・スターク
エダードの弟。ナイツウォッチ

落とし子であるために自分を卑下し、酒宴に列席できないジョン・スノウを見かねたベンジェンは、彼をナイツウォッチに誘います。ナイツウォッチならば身分の差など関係ないといいます。ジョンはナイツウォッチとして生きる道を考えるようになります。

その姿をティリオン・ラニスターが見ていました。彼はジョンに同情し、勇気づけます。ティリオンはラニスター家という高貴な家柄に生まれ、類い希な知性を持っていましたが、外見のために不遇な人生を歩んできたのです。

夜。寝室で休んでいるエダードとキャトリンのもとへメイスターのルーウィンがやってきます。メイスターは各城主の相談役や医療、経理などを請け負う役職で、オールドタウンにある知識の城から派遣されてきます。


ルーウィン
スターク家に仕えるメイスター

ルーウィンは、ライサからの手紙を持ってきます。ライサは亡くなった「王の手」ジョン・アリンの妻で、ジョン・アリン亡き後、アリン家の居城アイリー城へ戻っていました。その彼女から姉であるキャトリンに手紙が届いたのです。

手紙には、ジョン・アリンがラニスター家によって暗殺されたこと、王の身も危険であることが記されていました。

キャトリンは手紙を燃やすと、エダードに王の手の就任を拒否するよう願います。エダードの父と兄が王都に呼ばれていってどうなったかを知っているからです。前述しましたが、およそ16年前、ロバート・バラシオンと婚約していたリアナ・スタークが当時の国王エイリスの息子レイガー・ターガリエンと失踪するという事件が起きました。エダードの父と兄は、事件について王に抗議した結果、王都に呼ばれ処刑されたのです。以来、北部では、南部に呼ばれるといいことがないという雰囲気にあります。

ドスラク人との婚姻

ペントスでは、カール・ドロゴとデナーリス・ターガリエンの結婚式が執り行われます。かつてターガリエン家に仕えていたというジョラー・モーモントが現れ、祝いの品を贈ります。また、ペントスの豪商イリリオは、アッシャイの彼方、シャドウランド(遙か東にある未開の地)から見つかったというドラゴンの卵の化石をデナーリスに贈ります。


ジョラー・モーモント
ターガリエン家にゆかりがあるという戦士


イリリオ
ペントスの豪商

事件

ウィンターフェルでは王を招いて狩りの準備が進められています。ロバート王は狩りが好きなのです。さらにエダードが「王の手」に就くことを承諾したため、王は機嫌がよいようです。

みなが狩りの出発を見送っているとき、ブランは塔を登っていました。いつもなら誰もいるはずがない塔の上から男女の声がします。窓から覗くと、愛し合う男女の姿がありました。それはジェイミー・ラニスターとサーセイ・バラシオンの兄妹でした。ブランは二人に見つかり、塔の上からジェイミーに突き落とされます。

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